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低電力ワイヤレスセンサーのアンテナ設計(後編)福田昭のデバイス通信(361) imecが語るワイヤレス電力伝送技術(15)(1/2 ページ)

前編に続き、「レクテナ」の要素部品であるアンテナを解説する。後編となる今回は、小型アンテナの代表的な事例と、特性の計算手法を紹介していく。

» 2022年05月09日 10時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

 (ご注意)今回は前編の続きです。まず前編を読まれることを推奨します。



プリント基板に形成した小型アンテナでマイクロ波を受電

 「レクテナ」の要素部品であるアンテナを解説する前後編の後編をお届けする。前編では、低電力ワイヤレスセンサー端末のアンテナにはプリント基板に形成した小型アンテナが適していること、アンテナの特性では入力インピーダンスが重要であることを述べた。後編では、小型アンテナの代表的な事例と、特性の計算手法を紹介していく。

プリント基板に形成した小型アンテナの試作例。左上はダイポール(八木・宇田アンテナ)、左下は折り返しダイポール、右上はループ、右下はマクロストリップ(パッチ)[クリックで拡大] 出所:imecおよびEindhoven University of Technology(IEDMショートコースの講演「Practical Implementation of Wireless Power Transfer」のスライドから)

 以下は、「折り返しダイポールアンテナ(Folded Dipole Antenna)」「矩形ループアンテナ(Square Loop Antenna)」「差し込み給電方式の矩形マイクロストリップパッチアンテナ(Inset-Fed Rectangular Microstrip Patch Antenna)」の順番で説明する。

設計の自由度を拡大した折り返しダイポール

 「折り返しダイポールアンテナ(Folded Dipole Antenna)」は、2本の細長いダイポールアンテナを平行にならべて両端を接続した形状をしている。ダイポールアンテナよりも寸法設計の自由度が大きい。また入力インピーダンスはダイポールアンテナの約4倍と高い。

 アンテナの長さ(2L)は、半波長(2/λ)であることが多い。このときインピーダンス(理論値)の実部は292Ω、虚部はj168Ωとなる。実用的には長さを調整して虚部のインピーダンスをゼロにし、実部のインピーダンスを200Ω〜300Ω前後にする。特性はダイポールエレメントの幅(W)と間隔(C)によって変化する。

折り返しダイポールアンテナ(Folded Dipole Antenna)の各部寸法と入力インピーダンスの計算式[クリックで拡大] 出所:imecおよびEindhoven University of Technology(IEDMショートコースの講演「Practical Implementation of Wireless Power Transfer」のスライドから)
折り返しダイポールアンテナ(Folded Dipole Antenna)の各部寸法と入力インピーダンスの計算式(続き)[クリックで拡大] 出所:imecおよびEindhoven University of Technology(IEDMショートコースの講演「Practical Implementation of Wireless Power Transfer」のスライドから)
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