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» 2022年07月21日 11時30分 公開

「MacBook Pro」を分解、M1/M2と周辺チップの変遷をたどるこの10年で起こったこと、次の10年で起こること(64)(1/3 ページ)

今回は、Appleの「MacBook Pro」の分解結果を報告する。同社のプロセッサ「M1」「M2」や、周辺チップの変遷をたどってみたい。

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]

「M2」を搭載した最新「MacBook Pro」

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 2022年6月、Appleは新プロセッサ「Apple M2」を採用した「MacBook Pro」や「MacBook Air」を発表した。最初に発売となったのはMacBook Pro 13インチ版。そこでまずは、このMacBook Pro 13インチ版の中身について報告したい。

 図1はMacBook Pro 13インチ版の梱包箱、上部下部の外観と、下部のカバーを取り外した様子である。Apple製品は「iPhone」「iPad」「MacBook」のいずれにおいても、形状、構造ともに過去の製品とほぼ同じものになっている。

図1 2022年6月に発売された「MacBook Pro」の外観[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 2022年の新MacBook Proは、ネジを10個ほど外せば簡単に下部のカバーを取り外せるという、従来と同じ構造になっている。図1の右上の数字の(1)は3CELLの電池、(2)はステレオスピーカー、(3)はヒートパイプおよび空冷ファン、(4)はメインのプロセッサ基板、プロセッサ基板の下はキーボード、(5)はWi-Fi用アンテナ、(6)はTAPTIC機能付きタッチパッドを示している。電池がほぼ半分を占めていて、基板サイズは最大のところで202mm×83mmとなっている。

 表1は、「Apple M1」を最初に搭載した2020年11月発売のMacBook Proと、M2を最初に搭載した製品である2022年6月発売のMacBook Proを比較した結果である。

表1 2022年6月に発売された「MacBook Pro」の外観[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 下部のカバーを取り外した様子や、基板の表裏を比べてみるとほぼ同じものであることが分かる。内部の配置、それぞれのサイズ、形状もほぼ同じ、配線経路も同じだ。基板も同様に、サイズ、形状も、チップの配置位置もほぼ同じものとなっている。ちまたでは「プロセッサをM1からM2に置き換えただけのもの」といわれているが、まさにその通りである。下部カバーを外しただけでは区別がつかない。

 ただし、注意深く見るとコンデンサーの配置位置や数などが異なっているので、2つの基板は別物であることが明確になってくる。価格はいずれも20万円を切るが、2020年モデルに比べて2022年モデルは2割ほど高い。プロセッサのコストアップ(同時に機能もアップしている)、メモリの性能アップなどのコストアップ要因もあるが、世界情勢の変化によるコストアップも含まれているのだろう。

 図2は基板の分解の様子である。基板からはタッチパッド、キーボード、ディスプレイ、スピーカー、電池、外部端子などに多くの配線が出入りしている。それらを取り外し、フレームに取り付けられるネジを外すと基板を取り出すことができる。

図2 「M2」プロセッサ搭載のMacBook Proの基板を分解した様子[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 基板には補強金属や放熱用のヒートパイプ(ヒートシンク)や放熱シート、金属フレームなどが付加されている。ヒートシンクはプロセッサ部全体を覆う構造となっており、ヒートパイプで空冷ファンに接続され熱を逃がす構造となっている。空冷ファンは直径46mmの小型サイズ。羽根が多くて薄く、非常にスムーズに排熱できるものとなっている。

 ヒートパイプを取り外すと、基板のほぼ中央にDRAMと一体化したパッケージに収まるM2プロセッサが現れる。プロセッサの右側と上部には黒い放熱シートがある。またプロセッサの左上は、NAND型フラッシュメモリが設置されている。図2の左下は、放熱シートを取り外した基板。放熱シートは全部で3カ所あり、そのうち2カ所はプロセッサの電源を最適化するための電源ICが設置されている。放熱シートの3カ所目(基板右端)はインタフェース用ICとなっている。

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