名古屋大学は、電力パケット型エネルギーインターネットに向けて、「最大静止制御」技術を開発した。必要なときに必要なだけ電力パケットを調達して制御する方法である。アクチュエーターが複数個ある場合でも、電力平滑化のためのデバイスを新たに追加する必要がないという。
名古屋大学大学院工学研究科の東俊一教授と岩田拓海博士後期課程学生らによる研究グループは2022年7月、電力パケット型エネルギーインターネットに向けて、「最大静止制御」技術を開発したと発表した。必要なときに必要なだけ電力パケットを調達して制御する方法である。アクチュエーターが複数個ある場合でも、電力平滑化のためのデバイスを新たに追加する必要がないという。
インターネットのような流通システムを活用して、エネルギー供給を行う「エネルギーインターネット」が注目されている。電力を供給する方式の1つが「電力パケット型」と呼ばれるもので、「電力パケット」と呼ばれるパルス状の電力が流通単位となる。接続された端末からの要求に基づき、サーバより電力パケットを供給する。
ただ、従来の制御方式であれば、電力平滑化のため制御システム側に蓄電池やキャパシターなど、デバイスを追加する必要があった。また、「スパース制御」と呼ばれる制御方法はこれまでもあったが、アクチュエーターが複数個になると、十分な性能が得られなかったという。
そこで研究グループは、追加するデバイスを不要にする制御技術の開発に取り組んできた。そこで開発したのが「最大休止制御」と呼ばれる技術である。複数個のアクチュエーターを「同時に」駆動する時間帯を最小化するため、その制御問題についてブロックスパースな入力ベクトルを構成する問題に定式化。これで得られた入力ベクトルを制御系に加えることで、アクチュエーターを同時駆動する時間帯を最小にしながら、システム出力を目標値に到達させるための制御が行えることを実証した。
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