パナソニックは、新たに開発した合金はんだと専用フラックスを用い、低温はんだによるフロー実装を実用化し、家電製品の量産に適用した。
パナソニックは2022年8月、新たに開発した合金はんだと専用フラックスを用い、低温はんだによるフロー実装を実用化し、家電製品の量産に適用したと発表した。
同社は、家電製品の量産ラインで低温はんだのリフロー実装を、いち早く導入してきた。ところが低温はんだのフロー実装では、液体状になったはんだの供給量を適切に制御することが難しいことや、はんだ槽の表面にはんだドロスが生成されるなど、実用化に向けてはいくつかの課題もあったという。
そこで、パナソニックは材料メーカーと協力し、フロー実装に適したSnとBiの合金はんだ「Sn-58Bi」とSn-58Bi専用の「フラックス」を開発した。Sn-58Biは、従来の鉛フリーはんだと比べ、融点が約90℃下がる。このため、「はんだ槽の温め」や「はんだの溶融」といった実装工程において、消費電力を約30%も削減することが可能となった。また、BiはCO2排出係数が小さく、はんだ自体のCO2排出係数も大幅に減少するという。
さらに、実装時の温度や噴流条件を最適化するとともに、新開発のSn-58Bi専用フラックスを用いることで、はんだドロスを低減することにも成功した。この他、低温はんだは価格が比較的安定しているBiの含有量が多いため、従来の鉛フリーはんだと比べ、約30%のコスト削減が可能になるという。もちろん、落下衝撃試験や、はんだ付け性評価、たわみ負荷評価なども行い、実用レベルの信頼性が得られることを確認した。
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