AIはMRIやCTスキャナーの小型化にも役立つ。今日の一般的なMRIには、部屋全体を埋め尽くすような基盤が必要になる。Hyperfineは、AI対応のポータブルなMRIを開発した。車輪付きのため、患者のベッド脇や手術室まで動かすことができる。「Swoop」と名付けられたこのシステムは、既にFDAから認可を得ており、カナダの奥地や遠隔地にいる患者に対して利用されている。
このケースでは、ノイズの多い画像をAIで補正することで、ポータブルMRIスキャナーでも、申し分のない結果を得ることができる。つまり、低い電界強度と低品質のセンサーを使用しても、画像の忠実度の差をAIで補うことが可能となる。Powell氏は、この技術を、自撮りで滑らかな肌を演出できるスマートフォンのフィルターに例えて、「最終的にどのように見えてほしいかが分かっているため、ノイズの修正が容易になる」と説明している。
Powell氏はまた、「AIは外科手術、特に外科医が体内をカメラで見るしかできない最新の低侵襲手術に革命をもたらしている」と述べている。
同氏は、「カメラビューには、『この血管を切ってはいけない』や『この生体組織はここにある』といった、手術中のドクターの判断に非常に役立つ、実に強力な情報を数多く追加することができる。さらに、外科医は、このようなシミュレーション環境でトレーニングを行い、これから行う手術の手順や進め方を正確に把握することができる」と述べている。
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