Infineon Technologiesが、拡張メモリ「HyperRAM」の最新世代となる「HyperRAM 3.0」を発表した。HyperRAMのルーツは、2014年後半にCypress Semiconductorに合併されたSpansionまでさかのぼる。HyperRAMはもともと、2015年初頭に、SoC(Systen on Chip)およびMCU向けのコンパニオンRAMデバイスとして開発された製品だ。当初のHyperRAM技術開発は、それ以前に行われていたHyperBus/HyperFlash技術関連の先行研究によってもたらされたものだ。
M&Aを乗り越えた技術ほど強いものはないだろう。
Infineon Technologies(以下、Infineon)が、拡張メモリ「HyperRAM」の最新世代となる「HyperRAM 3.0」を発表した。HyperRAMのルーツは、2014年後半にCypress Semiconductorに合併されたSpansionまでさかのぼる。HyperRAMはもともと、2015年初頭に、SoC(System on Chip)およびMCU向けのコンパニオンRAMデバイスとして開発された製品だ。この当時、RAMとフラッシュメモリは、いずれも同じHyperBusインタフェースに接続されていた。当初のHyperRAM技術開発は、それ以前に行われていたHyperBus/HyperFlash技術関連の先行研究によってもたらされたものだ。
InfineonのHyperRAM製品部門担当リード主席エンジニアを務めるShivendra Singh氏は、「HyperRAMの登場以来、さまざまな技術やユースケースが進化を遂げてきたが、過去10年間にわたって低消費電力メモリのイノベーションをけん引してきたのは、IoT(モノのインターネット)の存在だ。Infineonは高帯域幅、少ピン数のpSRAMベース揮発性メモリであるHyperRAM 3.0のターゲットを、ビデオバッファリングや、FA(Factory Automation)、V2X(Vehicle to everything)、AIoT(AI+IoT)などを含む拡張RAMメモリを必要とするアプリーションとしている。また、組み込みシステムのように、膨大な数値計算を行うためにスクラッチパッドメモリやデータバッファリングを必要とする、あらゆる種類のアプリケーション向けとしても有用だ」と述べている。
HyperRAMの発表当初の大きなセールスポイントは、ピン数の少なさだ。それこそが、IoT/自動車向けユースケースやSoC/MCU向けとして理想的とされる理由である。小型パッケージのため、低コスト化が可能だ。HyperBusインタフェースのピン当たりのデータスループットが向上するため、MCUのピン数やPCBのレイヤー数が少ないものを使用できるようになり、コスト最適化が可能な設計を実現できる。
Singh氏は、「省スペース化が可能な低ピン数のインタフェースは、性能を犠牲にすることなく設計の複雑性を低減できる」と述べる。
HyperRAMは、消費電力量の面では高効率を維持しながら、ピン当たりのスループットを著しく向上することにより、市場に出回っているpSRAMやSDR DRAMなどの既存技術よりも優れた性能を達成する。
Singh氏は、「大半のユースケースにおいてもう1つの重要な魅力となっているのが、消費電力量だ。省電力化であれ、システムの電池寿命の延長であれ、消費電力は、特にAIoTのようにデバイスの本質的なスマート化が進む中で最前線の関心事となっている」と述べる。
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