今回はフラッシュメモリを記憶媒体とする携帯型デジタルオーディオプレーヤー(DAP:Digital Audio Player)を扱う。時期は1997年〜1998年である。
フラッシュメモリに関する世界最大のイベント「フラッシュメモリサミット(FMS:Flash Memory Summit)」の会場では最近、「Flash Memory Timeline」の名称でフラッシュメモリと不揮発性メモリの歴史年表を壁にパネルとして掲げていた。FMSの公式サイトからはPDF形式の年表をダウンロードできる(ダウンロードサイト)。
この年表は1952年〜2022年までの、フラッシュメモリと不揮発性メモリに関する主な出来事を記述している。本シリーズではこの歴史年表を参考に、主な出来事の概略を説明してきた。原文の年表は全て英文なので、これを和文に翻訳するとともに、参考となりそうな情報を追加した。また年表の全ての出来事を網羅しているわけではないので、ご了承されたい。なお文中の人物名は敬称略、所属や役職、企業名などは当時のものである。
前回は、切手大の小型フラッシュメモリカードが相次いで開発されたことを述べた。取り上げた時期は1997年から2000年まで。この間に、「マルチメディアカード(MMC:MultiMedia Card)」「メモリースティック(Memory Stick)」「SDメモリーカード(SD Memory Card)」が開発された。
今回はフラッシュメモリを記憶媒体とする携帯型デジタルオーディオプレーヤー(DAP:Digital Audio Player)を扱う。時期は1997年〜1998年である。
FMSの年表(原文)によると、1997年に韓国のベンチャー企業「セハン情報システム(Saehan Information Systems)」がフラッシュベースのMP3プレーヤー「MPMan」を発表したとある。多分、世界で初めての携帯型MP3プレーヤーであり、世界で初めての携帯型DAPでもある。
韓国のオンラインニュースサイト「Korea JoongAng Daily」の2008年3月9日付記事「10 years ago, Koreans created the MP3 player」によると、ドイツの情報通信技術展示会「CeBIT」の韓国(Korea)コーナーの一角にセハン情報システムは「MPMan」の試作品を展示した。
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