日本電産(Nidec)は2022年10月24日、2023年3月期の中間決算(2022年4〜9月)のオンライン説明会を行った。売上高は前年同期比24.2%増の1兆1308億円、営業利益は同8.1%増の964億円、税引き前利益は同35.9%増の1184億円でいずれも、同期間で過去最高を更新した。
日本電産(Nidec)は2022年10月24日、2023年3月期の中間決算(2022年4〜9月)のオンライン説明会を行った。売上高は前年同期比24.2%増の1兆1308億円、営業利益は同8.1%増の964億円、税引き前利益は同35.9%増の1184億円でいずれも、同期間で過去最高を更新した。2023年3月期通期の見通しは、売上高2兆1000億円、営業利益2100億円と従来の予測を据え置いた。
事業別の売上高では、HDD用の精密小型モーターが需要縮小などで前年同期比で減収。その他のセグメントは全て増収になった。営業利益については、各セグメントとも材料費の高騰、ウクライナ情勢、中国のゼロコロナ政策などが収益を圧迫したものの、重点分野での売り上げ拡大、コスト改善、工作機械への進出といった対策を進めた結果、過去最高を更新する964億円になった。
説明会では、常務執行役員で車載事業を担当する早船一弥氏が、電気自動車(EV)トラクションモーター事業について、「2023年度の黒字化が明確に見えてきた」と強調した。
その原動力となるのは、日本電産と欧州Stellantis(旧PSA)の合弁会社であるNPe(Nidec PSA emotors)が、2022年9月から量産を開始したEV用トラクションモーターシステム「E-Axle」だ。E-Axleは、インバーター、モーター、減速機を一体化したシステムで、日本電産は2019年4月に第1世代の量産を開始した。NPeで量産するのは、第2世代のE-Axleである。
早船氏は「中国では現在の2大顧客に加え、新たに重要顧客3社を加えた5大顧客体制を確立し、受注が活性化している。さらに、長らく成長が鈍化していた既存の車載モーターおよび、部品についても市場環境が回復基調になり、売り上げ、収益ともに伸びた」と語った。加えて、欧州では、E-Axleの内製化がコスト高になることから、外部調達に移行する兆しがみられるとし、「この好機を逃さず、欧州を攻める」と強調した。
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