矢野経済研究所は、車載ディスプレイ部材の世界市場を調査し、車載タッチパネルやディスプレイカバー(前面板)など主要部材の出荷量について、その成長率を予測した。主要部材の出荷量は今後も続伸が見込まれる中で、曲面や大画面、高精細化に対応した部材のニーズが高まる見通しだ。
矢野経済研究所は2022年11月、車載ディスプレイ部材の世界市場を調査し、車載タッチパネルやディスプレイカバー(前面板)など主要部材の出荷量について、その成長率を予測した。主要部材の出荷量は今後も続伸が見込まれる中で、曲面や大画面、高精細化に対応した部材のニーズが高まる見通しだ。
今回の調査は、車載用タッチパネル(抵抗膜方式、静電容量方式)、ディスプレイカバー(前面板)、ディスプレイカバー用加飾フィルム(インモールドラミフィルム)、ディスプレイカバー用反射防止フィルムおよび、OCA(Optical Clear Adhesive)/OCR(Optical Clear Resin)を対象にした。調査期間は2022年8〜10月。
車載ディスプレイの世界出荷数量(パネル数)は、2020年にマイナス伸長となったが、自動車生産台数の下げ幅ほどは減少しなかったという。2021年には成長率がプラスに転じ、2022年も成長が見込まれている。その後も、堅調に推移すると予測。その伸長率は、自動車生産台数予測を上回る伸びが期待されている。
特にプラス成長を続けるのが、車載用タッチパネル(TP)やディスプレイカバー(前面板)、ディスプレイカバー用反射防止フィルム、OCA/OCRなどの主要部材である。今後については、大型化や曲面化などディスプレイの進化に対応できる技術力と、新たな需要を掘り起こす提案力が重要だと指摘する。
報告書の中で、同社が注目する技術として挙げたのが、統合コックピットの安全性を向上させるための「スイッチャブルプライバシー技術」である。近年はCID(Center Information Display)やクラスタ(Instrument Cluster)、PID(Passenger Information Display)を一体化したような、大型のディスプレイが注目されている。
こうした中で、視野角を制御するスイッチャブル機能を備えたディスプレイの開発が不可欠となる。運転時にPID表示のみを「オフ」とし、脇見運転などを防止するための機能である。これとは別に、ガラス加飾カバーとフィルムセンサーとを一体化したセンサー付きガラスカバーなども提案されているという。
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