「エリクソンモビリティレポート」最新版によると、2028年末までに5G(第5世代移動通信)モバイル加入契約数は全世界で50億件を超え、固定無線アクセス(FWA)の接続数は3億件を超える見通しだ。
エリクソン・ジャパンは2022年12月22日に開催したオンライン記者説明会で、エリクソンが発行した「エリクソンモビリティレポート2022年11月版」について、その概要を紹介した。2028年末までに5G(第5世代移動通信)モバイル加入契約数は全世界で50億件を超え、固定無線アクセス(FWA)の接続数は3億件を超えると予測した。
同レポートによれば、5Gモバイル加入契約数は2022年末までに10億件を超える見込み。地域別の普及率を見ると、北米と北東アジアが約35%で最も高い。これに続くのが湾岸協力会議諸国の20%、西欧の11%である。
エリクソン・ジャパンのCTO(最高技術責任者)を務める藤岡雅宣氏は、「2028年末には5Gモバイル加入契約数が50億件を突破する見通し。これは全モバイル加入契約数の約54%に当たる」と話す。特に北米における5G普及率は91%、西欧では88%になると予測した。なお、「LTE加入契約数は2022年第4四半期(10〜12月)で52億件となり、ピークを迎えている」という。モバイル全体では、2022年末までに加入数が84億件を超え、このうちの66億件がスマートフォンと予測した。2028年末までにモバイル全体の加入数は92億件に達する見通しである。
世界市場における5Gの現状については、228の事業者が商用ネットワークを提供している。人口カバレッジは2022年末に30%を超えた。こうした中で韓国は、月間データ使用量が28Gバイトで、5Gのトラフィック割合は73%(いずれも2022年9月現在)に達しているという。
5Gは加入数の立ち上がりも早い。5Gは2018年にサービスを開始したが、2022年末には契約数が10億件に達する見通し。「4G(2009年にサービス開始)に比べて、10億に達するまでの期間が2年も早い」という。
同レポートでは、東南アジアやオセアニアの5G市場に注目した。オーストラリアやインドネシア、マレーシアなど多くの国で5Gの商用化が始まっている。中でもオーストラリアは高度な5Gネットワークを構築。ベトナムでも商用化に向けて準備が進んでいるという。
東南アジアにおける5G契約数は、2022年末で3000万件近くとなる。2028年にはモバイル加入全体の48%が5Gになると予測した。また、2028年にはスマートフォンの月間平均利用量は54Gバイトとなる見通しで、モバイルデータの60%は5Gによるものだと推測する。
セルラーIoT市場についてもまとめた。セルラーIoTデバイス数は2028年末に55億個となる。このうち60%は4Gや5GをベースとしたブロードバンドIoTになるという。「セルラーLPWAもこれから急速に増える」(藤岡氏)と話す。
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