三菱電機は、4G(第4世代移動通信)からBeyond 5G/6Gまでの通信世代に用いられる周波数に、1台で対応できる基地局用「GaN(窒化ガリウム)増幅器」を開発、その動作実証に成功した。
三菱電機は2023年6月、4G(第4世代移動通信)からBeyond 5G/6G(第5世代/第6世代移動通信)までの通信世代に用いられる周波数に、1台で対応できる基地局用「GaN(窒化ガリウム)増幅器」を開発、その動作実証に成功したと発表した。
移動体通信用基地局には、通信世代ごとに異なる無線部が設置されている。このため、無線部に搭載される増幅器は、各通信世代で用いられる周波数帯域に合わせた製品が必要となっていた。こうした中で、基地局の省スペース化や保守・運用コストの削減に向けて、無線部の共用化に対する要求が高まっていた。
新たに開発したGaN増幅器は、独自の周波数補償回路を搭載した。これにより増幅器の動作モードを切り替えることで、周波数帯域を3400MHzまで拡大した。同社従来製品の6倍になるという。周波数帯域を拡大したことで、各通信世代の主な周波数帯をカバーできるので、無線部の共用化を実現できるとする。
GaNデバイスは電力効率にも優れている。3400MHzの周波数帯域において、増幅器動作時の最高電力効率は62%を達成している。また、これまで複数必要であった増幅器が1台で済むことから、基地局の電力消費を節減できるという。
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