アナログ・デバイセズは「FOOMA JAPAN 2023」で、マクニカと共同で展開している状態基準保全ソリューションを展示した。MEMS加速度センサーで計測した振動データを機械学習が可能なソフトウェアで解析する。
アナログ・デバイセズ(ADI)は2023年6月6〜9日に開催された「FOOMA JAPAN 2023」で、マクニカと共同で展開しているCbM(状態基準保全)ソリューションを展示した。ADIの振動計測によるCbMプラットフォーム「CN0549」とマクニカが開発した機械学習可能な解析ソフトウェアを組み合わせたもので、振動データを利用したCbM実現のためのアルゴリズム開発を加速する。
同ソリューションでは、CN0549がMEMS加速度センサーを用いて振動データを高精度に計測する。CN0549は、MATLABやPythonベースの一般的なデータ解析ツールとの連携が可能だ。
マクニカのソフトウェアは、CN0549が測定した振動データを基に、エンベロープ解析やFFT解析の結果を表示する。また、RMS(信号の実効値)などの各種特徴量やしきい値の設定も可能だ。機械学習に関しては、正常に動作している際の振動を基準データとして学習させたモデルを作成し、実際の計測時にリアルタイムのデータと機械学習モデルを比較、その逸脱度合いを3Dマッピングで表示する機能を備えている。これらの機能によって、CbMや予知保全のためのソリューション開発を加速できるという。
展示ブースでは実際に機械学習を用いた機能のデモを見ることができた。モニター右上の3Dのグラフ上では、機械学習データは緑色で、リアルタイムの測定データは青色でそれぞれ表示され、事前に設定したしきい値を超えると計測値が赤色で表示された。
マクニカの説明担当者は「しきい値の設定や結果の分析を顧客側で行うことを想定したシンプルなソリューションとして買い切り型で提供しており、低コストで実装できる」とした。
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