ロボットを遠隔操作する技術は、遠隔医療や人が入れない危険環境での作業に役立つ。こうしたロボットは正確に動くだけでなく、場合によっては対象に柔らかく触れることも必要になる。従来の遠隔操作ロボットは通信遅延の影響があり、操作者の動きに正確に追従することと対象物に柔らかく触れることを両立できなかった。CS研では、ロボットが操作者の意図を推定して先回りするように動くことで通信遅延の影響を排除し、追従精度と柔らかく触ることを両立できる制御法を実現したという。
内覧会では実際にロボットを操作して体験した。操作者側は平坦な台の上に線が引いてあり、ロボット側は線に相当する位置に軟らかい素材で起伏が作ってある。線の上をなぞるように操作すると、従来の方法ではふくらみが潰れてしまったが、今回の研究で提案された制御法では柔らかく触れることができた。
今後、介護や医療など人の体に触れる場面や、強い力がかかると壊れてしまう精密機器を取り扱う場面での活用が期待される。
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