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» 2023年11月29日 13時30分 公開

「業界最多」532万画素の産業向けSWIRイメージセンサー、ソニー暗所でも低ノイズの撮像を実現(1/2 ページ)

ソニーセミコンダクタソリューションズが、「業界最多」(同社)の有効約532万画素の産業向けSWIR(短波長赤外)イメージセンサーを開発した。可視光からSWIRまで、1つのセンサーで撮像が可能。また、新たに搭載した撮影モードによって、低照度環境でもノイズを従来比で大幅に抑えている。サンプル出荷は2024年2月を予定している。

[永山準EE Times Japan]

 ソニーセミコンダクタソリューションズ(以下、SSS)は2023年11月29日、「業界最多」1)(同社)となる有効約532万画素の産業向けSWIR(短波長赤外)イメージセンサー「IMX992」を開発し、商品化すると発表した。可視光からSWIRまで、1つのセンサーで撮像が可能。また、新たに搭載した撮影モードによって、低照度環境でもノイズを従来比で大幅に抑えている。サンプル出荷は2024年2月を予定している。

大幅な市場拡大の見込み

 SWIRイメージセンサーは、非可視光であるSWIR(波長帯域900nm〜2500nm)の特性を利用するもので、産業分野では、人の目では捉えられないような傷や異物混入などの検査および、一部の物質を透過する特性を用いた透過検査などで活用されている。

SWIRイメージセンサー「IMX992」 SWIRイメージセンサー「IMX992」[クリックで拡大] 出所:ソニーセミコンダクタソリューションズ

 フランスの市場調査会社Yole Groupによれば、SWIRイメージング市場は2022年の3億2200万米ドルから年平均成長率(CAGR)44.2%で成長し、2028年には29億米ドル規模にまで大きく成長する見込みだ。分野別でみると、産業分野は2022年の8900万米ドルから2028年までCAGR28.3%で成長し、2028年には3億9500万米ドル規模にまで拡大することが予測されている。

「業界最小」3.45μm角の画素サイズを実現

 ソニーは2020年5月に産業向けSWIRイメージセンサーとして、画素サイズ5μm角で有効約134万画素の「IMX990」および約34万画素の「IMX991」を発表している。両製品は、既にさまざまな機器での活用が広がっているというが、産業機器が高度化する中で、より高解像度かつ高感度なセンサーのニーズが出てきたことから、今回の製品の開発、商品化に至ったとしている。

 IMX992は、IMX990/IMX991と同様に、受光部のフォトダイオードを形成するInGaAs(インジウム・ガリウム・ヒ素)層と、読み出し回路を形成するシリコン(Si)層との接合に独自のCu-Cu接続を用いる積層技術を採用。これによって、従来のバンプ接続では難しかった画素ピッチの縮小が可能になっている。IMX990/IMX991では画素サイズが5μm角だったが、今回、さらなる微細化を進めることで、「業界最小」1)の3.45μm角の画素サイズを実現。イメージサイズが1/1.4型(対角11.4mm)で有効画素数約532万画素と、多画素かつ小型なセンサーとなった。

左はバンプ接続の例、右はCu-Cu接続のイメージ図 左はバンプ接続の例、右はCu-Cu接続のイメージ図[クリックで拡大] 出所:ソニーセミコンダクタソリューションズ

 なお、SSSのSWIRイメージセンサーでは、可視光を吸収してしまう表面のInP(インジウム・リン)層を薄膜化することで、その下のInGaAs層まで可視光を透過させ、可視帯域でも高い量子効率を実現している。開発担当者は「Cu-Cu接続によって精度よくInGaAs層とSi層をつなぐことができ構造的に非常に安定しているので、後からInP層を薄く削ることができる」と説明している。さらに、今回の新製品では画素構造の最適化によって可視光帯域の量子効率が従来比で向上(具体的な数値は非公表)。0.4〜1.7μmまでの広い波長帯域において、より均質な感度特性を実現するとしている。

1)InGaAsを用いたSWIRイメージセンサーにおいて(2023年11月29日発表時点)。ソニー調べ。

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