ラズパイ、「今後は1次産業での活用に期待」 : ケイエスワイが「ラズパイ5」を展示
ケイエスワイは「EdgeTech+ 2023」で、2023年9月に発表された「Raspberry Pi 5」の実機を展示した。ケイエスワイによれば、日本では今後、農業や漁業といった1次産業でラズパイの活用が進むと期待されているという。
電子部品/半導体の総合商社で、「Raspberry Pi」(ラズベリーパイ、ラズパイ)の正規代理店でもあるケイエスワイは、「EdgeTech+ 2023」(2023年11月14〜17日、パシフィコ横浜)で、最新の「Raspberry Pi 5」を展示した。
ケイエスワイが展示した「Raspberry Pi 5」の実機[クリックで拡大]
Raspberry Pi 5は英国Raspberry Pi財団が2023年9月に発表したもので、前世代品に比べCPUの処理性能が2〜3倍に、GPUの処理性能は3〜5倍になっている。PCIe 2.0(PCI Express 2.0)対応のインタフェースを採用した他、Raspberry Pi財団が開発したI/O制御チップ「RP1」を搭載していることも特長だ。RP1により、カメラやディスプレイなどとのインタフェース機能が改善している。英国では同年10月に発売されているが、日本での発売時期は「未定」(ケイエスワイ)だという。
EdgeTech+ 2023のブースでは、GPUの処理性能の向上により、「Raspberry Pi 4」に比べてグラフィックスの描画が滑らかになることを示していた。
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左側がRaspberry Pi 5による描画。「Raspberry Pi 4」に比べて、滑らかな動きだった。なお、技適の取得がまだだったので、無線通信は一切行っていなかった
ケイエスワイによれば、ここ数年で、ラズパイの産業用途がだいぶ増えてきたという。「肌感覚だが、日本では出荷台数ベースで8〜9割が、産業用途で使われているのではないか。以前はホビイスト向けというイメージが強かったが、個人のユーザーは一度購入すると頻繁には買い替えないので、個人向けのラズパイ需要は日本では一巡した印象だ」(ケイエスワイ)
個人に代わる成長市場とみられているのが建設業や、農業、漁業といった1次産業での活用だ。「1次産業向けのサービスプロバイダーが、ラズパイの活用に意欲を示している。ラズパイは、土壌の水分量を計測してデータを無線で送信したり、画像解析などのAI(人工知能)技術を使って収穫時期を検知したりなど、AI/IoTの機能を低コストで実現できる。一度サービスを構築できれば、サブスクリプションのような収益モデルも可能なので、サービスプロバイダー側も継続的なビジネスをしやすい。これからは、IoTから最も遠い位置にいた1次産業でラズパイの活用が進むのではないか」(ケイエスワイ)
「Raspberry Pi 5」が登場、CPU性能が2倍以上に
英国Raspberry Pi財団は2023年9月28日(英国時間)、最新モデルとなる「Raspberry Pi 5」を発表した。前世代の「Raspberry Pi 4」と比べCPU性能は2〜3倍となったほか、新たにPCI Express 2.0も利用可能になった。
初のグローバルシャッター方式ラズパイ用カメラをデモ
英国Raspberry Pi財団はドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2023」(2023年3月14〜16日)に出展し、初のグローバルシャッター方式イメージセンサー採用カメラモジュール「Raspberry Pi Global Shutter Camera」を展示。従来品との比較によって、産業向けに特化した特性を強調した。
ラズパイ〜カメラ間をプラグ&プレイで延長するキット
ザインエレクトロニクスは2021年3月、プログラミングや設定作業なしに、シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」(通称:ラズパイ)とカメラモジュールの伝送距離を10メートルを超える程度まで延長できるキットソリューションを開発。オンライン通販サイトのDigiーKeyなどでの発売を開始した。販売想定価格は約60米ドル。
デアゴスティーニでラズパイ使ったIoT、エッジAIも!?
「週刊○○」と題したさまざまなテーマのパートワーク(分冊百科)を提供することで知られるデアゴスティーニ・ジャパンが2020年3月から、Raspberry Piを使ったIoT(モノのインターネット)講座「本気で学ぶIoT」を開始する。毎月届く各種デバイスとオンラインテキストで学習することで、最終的にはエッジAIの活用まで習得できるカリキュラムが組まれているという。
25年前の装置もラズパイでIoT化、京セミのDX
光半導体デバイスの専業メーカーである京都セミコンダクター(以下、京セミ)は2020年12月4日、同社の工場がある恵庭事業所(北海道恵庭市)と上砂川事業所(北海道空知郡)において、旧式の製造設備をIoT(モノのインターネット)化した「スマートFab」の運用を開始した。京セミは同年12月10日、東京本社で記者説明会を開催し、詳細を紹介した。
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