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2024年はさらなる飛躍の年に 市場低迷の中でも供給元開拓や在庫拡充を継続したDigiKeyDigiKey プレジデント Dave Doherty氏

2023年に創立50周年を迎えた米大手ディストリビューターのDigiKeyは、市場のダウンサイクルが本格化する中にあっても、新規サプライヤーの開拓と在庫の拡充を止めることなく、顧客数/出荷数拡大に積極的に取り組んできた。サプライチェーンの混乱にもさらなる基盤強化によって対応してきた同社は、2024年初頭から着実な成長の兆しを見ているという。今回、DigiKeyのプレジデントであるDave Doherty氏が2023年に実行した取り組みと2024年の事業戦略を語った。

» 2024年01月11日 10時00分 公開
[PR/EE Times Japan]
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顧客数と売上高の双方で「明るい兆し」

――DigiKeyは、2023年に創立50周年を迎えました。業績はいかがでしたか?

Dave Doherty氏 業界における過去のダウンサイクルと一貫して、平均受注規模の縮小による減収は見えたが、当社の事業のファンダメンタルズは顧客数と出荷数だ。サプライチェーンは全体的に大きく改善された。一部の半導体サプライヤーの在庫はまだ目標の95%には達していないが、それでも新規設計活動において期待通りの力強いファンダメンタルズが確認できている。

 DigiKeyは、2020年から2022年にかけてAPAC(アジア太平洋地域)でかつてない売上高と顧客数の伸びを記録した。売上高は2022年4月にピークを迎えたが、APACでは顧客数と売上高の双方で明るい兆しが見えている。2023年4月以降、顧客数は着実に増加している。

 売上高は、2024年初頭からさらに成長する見込みだ。2024年1月の売上高と顧客数が2023年末よりも堅調に推移しており、2024年は着実にプラス成長になる兆しを見せている。

――2023年に実行した主な経営戦略についてお聞かせください。

Doherty氏 市場が多少低迷しても、新規サプライヤーの開拓や部品在庫の拡充を止めることはなかった。

 当社は、堅牢(けんろう)で予測能力の高いWeb検索機能の確立、在庫レベルの向上、自社倉庫をさらに自動化するための投資を重ねた。部品のトレーサビリティー機能を強化するためのカットテープ印刷やエコシステム内で提供される多様な製品やサービス、オンライン販売プラットフォーム「DigiKeyマーケットプレイス」の拡大にも一貫して投資し続けた。これらの取り組みを通じて、世界中の顧客に、設計プロセスの最初のステップとしてDigiKeyを選択してもらえるように魅力を築き上げてきた。

 2023年は多くのイノベーションがあり、新製品が相次いで発売された飛躍の年となったが、当社はその後押しができたと自負している。

在庫切れがあっても6000万件のデータベースから代替品を即提示

――半導体業界はパンデミックによるサプライチェーンの混乱を経験しました。現在は落ち着いているようですが、DigiKeyが果たす役割に変化はありますか?

Doherty氏 半導体不足がもたらした明るい兆しの一つは、在庫を抱えていた多くの企業が新たに半導体を作る機会を十分に得られたことだ。新興企業は、目当てのチップを入手できなかった多くの顧客をサポートすることができた。

 スマートフォンやPCの需要は落ち込んでいるが、データセンター、産業、自動車、医療、航空宇宙分野の製品の需要は堅調だ。これらの分野への部品供給は今後も増え続けるだろう。

 成熟プロセスの半導体の生産能力はほとんど増強されていない。車載や医療、産業用アプリケーション用に設計された寿命の長いデバイスの多くは、6インチや8インチのウエハーで生産される。だがここ数年、生産能力の拡張はないため、成熟した製品の多くは依然として需要があり、リードタイムは延び続けている。

 DigiKeyの目標は、日本の顧客がニーズに合った代替ソリューションをできるだけ簡単に見つけられるようにすることだ。顧客が当社のWebサイトで注文しようとして在庫切れだった場合は、約6000万件のデータベースから代替品の候補を自動的に提示できる。

オートメーション、AI、サイバーセキュリティ需要に注目

――2024年の市場見通しについて教えてください。

Doherty氏 2023年は自動車から医療、産業用オートメーションから消費者向け機器まで、あらゆる業界で新製品の導入が急増した。この革新と成長は2024年も続くだろう。

 特にAPACでは、オートメーション、AI(人工知能)、サイバーセキュリティの需要が増加している。労働力の水準が揺らぐ中、企業の国際競争力を高めるために自動化とAIの必要性が高まっている。サイバーセキュリティに関しては、外部からの脅威の高まりを受けて多くの企業が投資を増やしている。この関連需要は2024年も伸びると見込んでいる。

 ワイヤレスコネクティビティ、スマートセンサーなどはいずれも2024年をけん引する重要なトレンドになると予想される。

 DigiKeyは、機械やデバイスの製造に使われる最新の技術や部品を堅牢なオンラインツールやリソースとともに提供する。

日本の顧客の技術革新を支える

――2024年の事業戦略について教えてください。

Doherty氏 業界がダウンサイクルにあり、サプライチェーンの問題が完全には解決していないため、多くの未知の課題が待ち受けている。だが、DigiKeyは日本の顧客をサポートする体制を整えていく。フランチャイズ展開を継続し、製品とアプリケーション関連の情報量の拡大に努める。約20万m2の面積を持つ製品流通センター「PDCe(Product Distribution Center expansion)」で扱う即納可能な新製品の数も増やす。当社の部品表管理ツール「myLists」などのWebツールの開発を強化し、多品種少量生産の自動化を支援するサービスとソリューションの提供にも注力する。

 日本市場をサポートするために効果的なデジタルチャンネルを展開し、顧客に寄り添ってニーズを把握し、革新的なソリューションを提供する。一貫した部品購入価格、受発注の自動化、信用口座取引の提供、出荷予約、在庫保有プログラムなど、顧客が当社の機能をどのように活用できるかを探っていく。

拡張を完了した製品流通センター(PDCe) 提供:DigiKey

――日本市場への期待をお聞かせください。

Doherty氏 日本は、当社のグローバルな成長を支える非常に重要な市場だ。日本の顧客はサービスと品質の両面において高い要求水準を有することを理解しており、顧客の技術革新、市場投入までのプロセスやサプライチェーンに対するニーズに全力を尽くして対応していく。

2023年に創立50周年を迎えたDigiKeyは、ロゴも刷新した 提供:DigiKey

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提供:DigiKey
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2024年2月9日

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