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» 2024年01月22日 11時30分 公開

2023年半導体売上高ランキングと時価総額について考える大山聡の業界スコープ(73)(1/2 ページ)

2023年の半導体売上高上位10社の時価総額を比較しながら、それぞれの企業の現状や期待度について述べてみたい。

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 2023年の半導体市場は、メモリの不況が目立ち、全体としてもマイナス成長に終わった。半導体メーカーの売り上げランキングではNVIDIAが首位に立つ、という画期的な出来事があった。別の調査会社Gartnerは2023年の速報ランキングにおいて、Intelが3年ぶりに首位に返り咲き、NVIDIAが12位から5位に躍進した、と発表している。ただしNVIDIAの昨今の勢いを考えると、ランキングでもNVIDIAがIntelやSamsungを脅かす存在になる可能性が高い。2023年の半導体市場を振り返る上で、NVIDIAの躍進を語らないわけにはいかないだろう。今回は、半導体売上高上位10社の時価総額を比較しながら、それぞれの企業の現状や期待度について述べてみたい。

注目度ではるかにIntelをしのぐNVIDIA

 図1は、調査会社Semiconductor Intelligenceが発表した2023年半導体メーカー上位10社の売上高で、グラフとして示したものである。

図1:2023年の半導体売上高上位10社の比較[クリックで拡大] 出所:Semiconductor IntelligenceよりGrossberg作成

 図1を見る限り、NVIDIAとIntelとの差はわずかではあるが、半導体/エレクトロニクス業界におけるNVIDIAへの注目度は、もはやIntelをはるかにしのいでいる。

 図2はIntelの四半期決算の推移で、2023年7〜9月期までの実績が示されている。

図2:Intelの四半期収益の推移[クリックで拡大] 出所:Intel決算資料よりGrossberg作成

 かつて、四半期売上高で200億米ドルを超えていたIntelとしては、160億米ドルを下回る売上高に、ほぼ慢性化してしまった営業赤字と、かなり不本意な業績が続いている。2023年10〜12月期の売上高は151億米ドル前後の見込み。売り上げ水準はまだ不本意なレベルだが、営業損益は改善中なので、久々に営業黒字が計上されるかもしれない。

2023年5〜7月期から急伸し全盛期のIntelに迫るNVIDIA

 図3はNVIDIAの四半期決算の推移で、2023年8〜10月期までの実績が示されている。

図3:NVIDIAの四半期収益の推移[クリックで拡大] 出所:NVIDIA決算資料よりGrossberg作成

 2023年2〜4月期までは60〜70億米ドルの売り上げで推移していた。そして、AI関連の需要増が追い風となり、2023年5〜7月期は135億米ドル、2023年8〜10月期は181億米ドルと売り上げが急増した。営業利益率も50%を上回る好調ぶりだ。2023年11月〜2024年1月期は200億米ドル前後の売り上げ見込みで、まさに全盛期のIntelの売上規模に迫ろうという勢いである。

 IntelにしろNVIDIAにしろ、売上高の全てが半導体で占められているわけではなく、システム製品やソフトウェアの売上も含まれているだろう。また多くの半導体調査企業の定義に従えば、半導体受託製造(ファウンドリー)事業の売り上げを半導体売上高に含まないはずなので、2023年の半導体売上高はどちらが大きいか、という判断は各調査会社に委ねるしかない。ただ、両社の勢い、時代のニーズへの適合性には、大きな差がついているのが現状といえるだろう。

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