コアスタッフは2024年1月16日、同年秋に稼働予定の新物流センター(長野県佐久市)の建設状況と、半導体業界における「物流2024年問題」の解決を目指す同社の新サービスを説明した。
コアスタッフは2024年1月16日、記者説明会を行い、2024年秋に稼働予定の新物流センター(長野県佐久市)の建設状況と、半導体業界における「物流の2024年問題」および、その問題解決に向けた新物流センターを活用した新サービスを説明した。
コアスタッフ社長の戸澤正紀氏は説明会の冒頭、令和6年能登半島地震のビジネスへの影響について触れ「一部製品の在庫が急速に減っている。中には、1週間足らずで在庫が底をつく製品もあるだろう」と説明していた。今回の地震では、コアスタッフと取引があるサンケン電気や、東芝、村田製作所などの製造拠点が被災している。
戸澤氏は、2024年の半導体業界において、少子高齢化による人員不足、天災による入手困難やシリコンサイクルによる余剰在庫の発生、物流コストの増加や配送納期の長期化といった「物流2024年問題」*)などが課題になっているとし、これらを「半導体業界の物流2024年問題」と表現した。
*)2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の上限が年間960時間に制限されることで懸念される物流の停滞などの問題の総称
コアスタッフはこの問題に対応する新サービスとして、半導体製品の保管/物流業務一式を請け負う「LOS(Logistics Outsourcing Service)」を提供していく予定だ。LOSでは顧客の半導体製品や在庫をあらかじめ新物流センターに集約することで、半導体業界の物流2024年問題で課題となる人員およびスペース不足を補完し、配送効率の向上が可能になるという。運輸/配送に関しても、全国展開する運輸大手の他、地元に根付いた中小企業とも連携を強化する方針だ。
同社は、以前から購買業務一式を請け負う「POS(Procurement Outsourcing Service)」を展開してきた。今回、新たにLOSを開始することで、今後は購買から保管、物流業務まで一気通貫で請け負う「PLOS(Procurement & Logistics Outsourcing Service)」の提供も可能になるとしている。
戸澤氏は「近年、半導体/電子部品メーカー側の力が強くなり、購買側の中小企業が交渉力を失ってきている」と指摘。「コアスタッフがハブとなることで、中小企業がメーカーに対して一定の交渉力を確保できる。TSMCが前工程の生産の大部分を担っているように、コアスタッフは『調達と物流のTSMC』としての役割を目指す」と語った。
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