「調達と物流のTSMCを目指す」、コアスタッフが新サービスを発表 : 半導体物流の「2024年問題」を解決へ (2/2 ページ)
この新サービスの中核を担うのが、同社が長野県佐久市に建設中の新物流センターだ。同センターの建設は全工程の3分の2まで進捗していて、2024年7月に完成、同年秋の本格稼働を予定している。
同センターは、地上4階建てで、敷地面積が約1万6000m2 、延床面積1万5000m2 だ。また、太陽光発電を取り入れることで、一次エネルギー消費を実質ゼロにする「ZEB(Net Zero Energy Building)」を達成する見込みだ。総工費は約50億円で、コアスタッフとして過去最高の投資額だという。
新物流センターの概要[クリックで拡大] 出所:コアスタッフ
会見で披露された350分の1スケールの模型[クリックで拡大]
同センター内部には、高さ20m(4階吹き抜け)のフリーサイズケース自動倉庫(1号機)と、ダブルディープシャトルの自動倉庫(2号機)を設置する。1号機は、主に1個からの注文に対応する製品を保管、2号機は、主に入荷製品の一時保管に使用する予定だ。
在庫保管可能数は、従来拠点に比べて10倍になる最大100万点。1号機と2号機だけで合計10万点を保管できるので、自動倉庫だけで既存の倉庫の保有在庫数(10万点)をカバーできる。倉庫業務の生産性は、自動倉庫の導入により、現状の3〜5倍に向上する見込みだ。戸澤氏は、新物流センターについて「国内の半導体商社でこの規模の倉庫を持つ企業は他にない」と語った。
新物流センターの自動倉庫計画図[クリックで拡大] 出所:コアスタッフ
新物流センターの従業員は、従来拠点で働く60人でスタートし、新拠点の稼働率を見ながら必要に応じて増員を検討する。拠点内には2歳以下の子供を対象とした託児所を設置する予定で、さまざまな働き方にも対応する。なお、新拠点稼働後の従来拠点の動向については「検討中」(同氏)という。
なお、同社は、新物流センターの開設に合わせて、在庫保管費用を1年間無料にするキャンペーンを実施する。先着10社限定で、無償金額の上限は月額100万円。申し込みは「第38回 インターネプコン ジャパン」(2024年1月24〜26日/東京ビッグサイト)の同社ブースで受け付ける。
本格世界進出に向け新物流拠点着工――コアスタッフ
コアスタッフは2022年12月8日、半導体/電子部品販売ビジネスの新たな基幹拠点になる物流センター(長野県佐久市)の建設に着工した。従来拠点に比べて10倍になる約100万点の在庫を保有できる能力を持ち、同社は新物流センター稼働後、事業の海外展開を本格化させる計画だ。
コアスタッフ、長野県佐久市に新物流センター建設
コアスタッフは、長野県佐久市に「新物流センター」を建設する。2024年7月に完成の予定。稼働後は、自社管理在庫数を現状の10万点から約100万点に増やしていく計画。
コロナ後の半導体市場、商社が語る「4つのシナリオ」
コアスタッフは2023年7月5日、コロナ禍以後の半導体/電子部品業界の見通しと課題、同社の今後の事業戦略についての説明会を開催。社長の戸澤正紀氏が登壇し、オンラインでの販売と対面での営業をハイブリッドで行う半導体専門商社という視点から半導体/電子部品業界の現状を分析した。
コロナ禍で半導体商社業界に起きた「地殻変動」とは
アフターコロナの調達網は、どう変わるのか――。本連載では、半導体/電子部品通販サイト「CoreStaff ONLINE」を運営するコアスタッフの社長を務める戸澤正紀氏と、半導体/電子部品メーカーのトップとの対談を通して、コロナ禍後のエレクトロニクス商社の在り方や、顧客の購買活動を探る。本稿では、そのプロローグとして、コロナ禍を通して、顧客の購買活動がどのように変わってきたのか、商社の役割がどうあるべきかを戸澤氏に聞いた。
市場流通品専門の米国半導体商社が日本展開を本格化
半導体・電子サプライチェーン事業を展開する米国Fusion Worldwideは、日本市場への本格展開に伴うメディア向けの事業説明会を実施した。同社は、品質/真贋検査を徹底していて、2001年の創業以来、偽造品出荷数は「0件」だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.