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ミネベアミツミが利益予想を再び下方修正、スマホ需要低迷など響く3Qの売上高は四半期最高を更新も(1/2 ページ)

ミネベアミツミの2023年度第3四半期売上高は前年同期比2.6%増の3812億円で、四半期として過去最高を更新した。一方、営業利益は同5.8%減の240億2700万円と減少。同社は2023年度通期の営業利益を前回予想の770億円から700億円に下方修正した。

» 2024年02月06日 15時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 ミネベアミツミは2024年2月2日、2024年3月期(2023年度)第3四半期(10〜12月)決算を発表した。2023年第3四半期の売上高は前年同期比2.6%増の3812億円で、前回から引き続き、四半期として過去最高を更新した。自動車市場の回復に伴ってボールベアリングや車載向けモーター、自動車部品などで売り上げが増加した。営業利益は同5.8%減の240億2700万円と減少したが、純利益は同20.2%増の147億5400万円となった。

2023年度第3四半期の連結業績概要売上高、営業利益、営業利益率の推移 左=2023年度第3四半期の連結業績概要/右=売上高、営業利益、営業利益率の推移クリックで拡大]出所:ミネベアミツミ

光デバイスは想定下回る、「第4四半期での挽回は困難」

 2023年度第3四半期の業績をセグメント別でみると、半導体デバイスや、スマートフォン向けの光学式手ブレ補正機能(OIS)付き小型アクチュエーター(光デバイス)などを扱うセミコンダクタ&エレクトロニクスセグメント(旧ミツミ事業セグメント/SE)の売上高は1465億円で、前四半期比6.8%減となった。主に光デバイスが新製品の作りこみによって増加した一方で、機構部品が減収となったことが要因だ。営業利益は主に光デバイスの増収から、同2億円増の128億円、営業利益率は前四半期比0.7ポイント増の8.7%となった。

セミコンダクタ&エレクトロニクスセグメントの業績 セミコンダクタ&エレクトロニクスセグメントの業績[クリックで拡大]出所:ミネベアミツミ

 ただ、前年同期比では売上高は19.8%減、営業利益も21.9%減となっている。また、2023年11月時点の予想との比較でも、想定を下回って推移。同セグメントの売上高は予想比66億円減、営業利益は予想比22億円減で着地した。これに伴い同社は通期でもSEセグメントの業績予想を下方修正している。光デバイスが北米のスマートフォン需要減を受けたことが要因で、同社は「第4四半期での挽回は困難」と説明している。

日立パワーデバイスの統合準備は順調

 一方、アナログ半導体については、底を打ち、緩やかに回復しているとの見解を示した。また、同社は2023年11月、日立製作所のパワー半導体事業(日立製作所の子会社である日立パワーデバイス)を買収すると発表したが、この統合準備が順調に進んでいて、統合後の損益インパクトのイメージは売上高が400億円、営業利益が40億円になると紹介した。統合後は、内製パワー半導体の拡充や高圧ICによってモーター製品/電源製品の事業領域の拡大が見込まれる。

 さらに、ミネベアミツミ会長の貝沼由久氏は、エイブリック買収によって医療向けのラインアップが拡大したことも挙げ、「医療というニッチな分野で当社のアナログ半導体の存在感が増していくだろう」と述べていた。

アナログ半導体事業の状況 アナログ半導体事業の状況[クリックで拡大]出所:ミネベアミツミ
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