ミネベアミツミが利益予想を再び下方修正、スマホ需要低迷など響く:3Qの売上高は四半期最高を更新も(2/2 ページ)
モーターやエレクトロデバイス、センシングデバイスなどを手掛けるモーター・ライティング&センシングセグメント(旧電子機器セグメント/MLS)は、売上高が919億円で、前四半期比0.8%減となった。製品別では、車載向けモーターを中心に堅調に推移したことから、モーター製品の売上高が同0.6%増となった一方、エレクトロデバイスは同3.2%減、センシングデバイスも同6.6%減のマイナス成長になった。営業利益は前四半期比8億円減の28億円、営業利益率は同0.8ポイント減の3.1%だった。
ただし、車載向けモーターや電子デバイスの好調を背景に、2023年11月時点の予想比では売上高が9億円増、営業利益が3億円増といずれも予想を上回る結果となっている。
モーター・ライティング&センシングセグメントの業績[クリックで拡大]出所:ミネベアミツミ
自動車部品や産業機械用部品などのアクセスソリューションズセグメント(旧ユーシン事業セグメント/以下、AS)は、自動車市場での生産台数回復を受け、売上高は前四半期比13.3%増の879億円、営業利益は同45億円増の57億円、営業利益率も前四半期比5.0ポイント増の6.5%となった。
ベアリングやアッセンブリーなどのプレシジョンテクノロジーズセグメント(旧機械加工品セグメント/以下、PT)の売上高は前四半期比4.9%増の539億円となった。営業利益は同8億円増の98億円、営業利益率は同0.6ポイント増の18.2%だ。
製品別では、ボールベアリングは自動車向けの好調などから売上高が同9.2%増の382億円となった。データセンター向けについては「まだ回復は弱いものの、ボトムアウトの若干の兆しがでてきた」としている。ロッドエンドファスナーは同13.3%増の115億円、ピボットアッセンブリーは同2.9%増の43億円となった。
左=アクセスソリューションズセグメントの業績/右=プレシジョンテクノロジーズセグメントの業績[クリックで拡大]出所:ミネベアミツミ
同社は今回、2023年度通期の営業利益を前回予想(2023年11月)の770億円から700億円に下方修正した。データセンター市場はボトムアウトしたものの回復が弱い他、スマホを筆頭に産業機器や家電など民生機器が「予想外に低調で稼働が上がらず、下方修正せざるを得なかった」としている。セグメントの内訳を見ると、SEで前回予想比30億円減、PTとMLSでそれぞれ20億円減としている。また、売上高についても、全体としては据え置きとなったが、セグメント別では修正を実施。ASとPTでそれぞれ50億円増と見込む一方、SEで100億円を下方修正している。
左=2023年度通期の業績予想/右=セグメント別の業績予想[クリックで拡大]出所:ミネベアミツミ
- ミネベアミツミは売り上げ過去最高も減益、通期予想を下方修正
ミネベアミツミの2023年度第2四半期(7〜9月)決算は、売上高が前年同期比15.1%増の3797億4700万円で、四半期として過去最高を更新した。一方、営業利益は同19.8%減の211億1000万円、純利益は同20.3%減の159億5800万円で減益となった。売上高は上半期でも過去最高となった。
- 「ニッチ分野に注力」ミネベアミツミ、日立のパワー半導体事業を買収へ
ミネベアミツミは2023年11月2日、日立製作所のパワー半導体事業を買収すると発表した。統合によって、早期に売上高2000億円達成を目指すとしている。
- ミネベアミツミが大幅減益、データセンター需要停滞で
ミネベアミツミは、2024年3月期(2023年度)第1四半期(4〜6月)の決算を発表した。売上高は前年同期比16.5%増の2923億7000万円で、第1四半期としては過去最高となった。営業利益は同57.4%減の60億7900万円だった。通期業績予想は据え置く。
- 過去最高売り上げを更新も、電子機器事業で苦戦
ミネベアミツミは2023年2月3日、2023年3月期第3四半期(2022年10〜12月)の決算を発表した。売上高は前年同期比22.0%増の3714億2400万円で、過去最高となった。
- アナログ半導体需要「非常に大きい」、好決算のミネベアミツミ
ミネベアミツミは2022年11月2日、2023年3月期(2022年度)第2四半期(7〜9月)の決算説明会を行った。売上高は前年同期比17.0%増の3300億2100万円で過去最高となった。営業利益も同5.6%増の263億9400万円で、第2四半期としては過去最高だった。円安の好影響があったほか主力のボールベアリングや半導体デバイスなどが堅調に推移、2022年8月時点の予想を上回って着地した。
- ミネベアミツミ、M&Aで「8本槍戦略」を加速
ミネベアミツミは2022年8月5日、2023年3月期第1四半期の決算説明会を行った。売上高は前年同期比で1.1%増となる2510億4000万円で、第1四半期としては過去最高となった。営業利益は、前年同期比で27.4%減となる142億5500万円。上海のロックダウンの影響はあったものの、期初予想を上回ったとした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.