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「融点が変わる」はんだ材料 実装温度は250℃、耐熱温度はそれ以上オートモーティブワールド2024(1/2 ページ)

千住金属工業は、「オートモーティブワールド2024」にて、融点変換型はんだ材料「TLP PREFORM」「TLP PASTE」や低温ではんだ付けできるソルダリングソリューション「MILATERA(ミラテラ)」を紹介した。

» 2024年03月07日 16時15分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 千住金属工業は、「オートモーティブワールド2024」(2024年1月24〜26日、東京ビッグサイト)に出展し、融点変換型はんだ材料「TLP PREFORM」「TLP PASTE」や低温ではんだ付けできるソルダリングソリューション「MILATERA(ミラテラ)」を紹介した。

実装温度を超える耐熱性 「融点が変わる」はんだ材料

 千住金属工業が手掛ける融点変換型はんだ材料のTLP PREFORM/TLP PASTEは、実装温度は250℃だが、それ以上の耐熱性をもつというもの。鉛系高温はんだからの代替が期待できるという。

千住金属工業の融点変換型はんだ材料「TLP PREFORM」(右) 千住金属工業の融点変換型はんだ材料「TLP PREFORM」(右)[クリックで拡大]

 同材料はSn(スズ)とNiFe(ニッケル-鉄)を混合成形したものだ。はんだ付けの際に250℃で加熱するとSnとNiが反応し、金属間化合物Ni3Sn4となる。Snの融点は232℃、Ni3Sn4の融点は794℃なので、加熱前と比べて耐熱性が大きく向上する。実装後の融点は、SnとNiの反応がどれだけ進んでいるかによって変わるため、明確にしていない。

 260℃で水平方向に力を加えて接合強度を計測する試験では、従来の鉛フリーはんだ(融点約220℃)はシェア強度0.0Mpa、すなわち溶けて剥離してしまったのに対し、TLPシリーズはシェア強度35.9Mpaと、十分な強度であることを確認したという。

 SnとNiFeの混合物は熱伝導性が低いというデメリットがあるが、TLP PREFORM/TLP PASTEにはCu(銅)粒子を添加することで、従来の鉛はんだと同等まで熱伝導性を向上させている。

 同材料の開発の背景は、xEV(電動車)の普及に伴い、電子機器にも高耐熱性が求められるようになったことだという。千住金属工業のブース担当者は「従来のはんだ材料で実装すると、高温環境では溶けてしまう可能性がある。しかし実装温度はあまり上げられないため、実装温度は従来のままで、耐熱性だけ向上させた」とした。

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