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半導体材料に「全集中」で次のステージへ、レゾナックのR&D戦略CTO配下の開発組織を充実(1/2 ページ)

レゾナックは2024年2月29日、CTO(最高技術責任者)配下に設置された研究開発(R&D)組織「CTO組織」の概要や研究開発方針に関するメディアラウンドテーブルを実施した。

» 2024年03月11日 15時45分 公開
[半田翔希EE Times Japan]
レゾナック CTOの福島正人氏 レゾナック CTOの福島正人氏[クリックで拡大] 出所:レゾナック

 レゾナックは2024年2月29日、CTO(最高技術責任者)配下に設置された研究開発(R&D)組織「CTO組織」について説明するメディアラウンドテーブルを開催した。同社は半導体/電子材料分野をコア成長事業に定め、「半導体材料を核にした全社利益成長の実現」に向けた事業ポートフォリオ改革や組織再編に力を入れる。半導体以外の事業の売却やパーシャルスピンオフ(分社化)も進めていて、半導体ビジネスに経営資源を集中させている。

 メディアラウンドテーブルでは、CTOの福島正人氏が登壇し、CTO組織の概要や研究開発方針を語った。CTO組織とは、全社的な研究開発の事業化成功率の向上や事業化のスピードアップ、人材育成を目指して、レゾナック・ホールディングスおよびレゾナック内に以前から設置されているCTO配下のR&D組織だ。福島氏は「旧昭和電工と旧日立化成の統合はおおむね完了した。レゾナックは、次のステージとして、現在保有する技術や人材を最大限活用し、顧客に迅速かつ高精度な提案をするための組織改革を行っている」と説明した。

 福島氏は、「CTO組織が目指すのは『共創型研究開発』だ。重要性の高い研究開発テーマへのリソース集中や、共創による社内外の壁を越えた技術/知見の活用、顧客や市場が求める機能を起点とした研究を通じて、事業部には難しい長期的視点を持った研究開発体制を構築/強化する」と語った。

CTO組織の目標レゾナックの研究開発のあり方 左=CTO組織の目標/右=レゾナックの研究開発のあり方[クリックで拡大] 出所:レゾナック

社内外の課題解決に向けた、長期視点での研究開発を推進

 CTO組織は研究開発企画部、先端融合研究所など7個の組織で構成される。

CTO組織の組織図 CTO組織の組織図[クリックで拡大] 出所:レゾナック

 「研究開発企画部」は、レゾナック・ホールディングスに属し、研究開発における対外的な活動を担う。「共創の舞台」(横浜市)は、レゾナックの研究開発の中核拠点だ。社内外と共創し、次世代高速通信材料の開発やプラスチックケミカルリサイクル技術の開発など、長期視点での社会課題/技術課題の解決に向けた研究開発を推進している。

次世代高速通信材料の開発プラスチックケミカルリサイクル技術の開発 左=次世代高速通信材料の開発/右=プラスチックケミカルリサイクル技術の開発[クリックで拡大] 出所:レゾナック

 「先端融合研究所」は、無機/金属/複合材を含む材料の研究開発および新事業を創出する組織で、パワーモジュールに関する研究開発のハブとしての役割も担っている。「高分子研究所」は、有機/高分子を含む材料開発や、有機/無機材料の分析および評価を行う。同研究所に属する「材料科学解析センター」では、レゾナックが開発した生成AI(人工知能)で手書き文章も含めた社内資料を検索/共有できる社内システム「Chat Resonac」などを使った課題解決に取り組んでいる。

 「計算情報科学研究センター」(横浜市/茨城県つくば市)は、半導体材料などの研究開発から社内業務の効率化まで、計算情報科学を活用した全社の課題解決を行っている他、データ駆動型開発の基盤構築や人材育成の役割を担っている。「知財財産部」では、知財情報解析力や知財戦術力の向上、グローバル知財網の形成/発信/積極活用を目指して活動している。

計算情報科学研究センターの概要知財財産部の概要 左=計算情報科学研究センターの概要/右=知財財産部の概要[クリックで拡大] 出所:レゾナック
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