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「2030年に1兆ドルの市場」を目指すなら、半導体工場はまだ足りないSEMIのCEOが主張(2/3 ページ)

» 2024年03月14日 13時00分 公開
[Nitin DahadEE Times]

インドと東南アジアの成長

 Manocha氏は、東南アジアでは大きな成長が見られると述べる。例えば、ベトナムは後工程工場への取り組みを強化している。マレーシアも同様だ。同氏は「インドは長年にわたり、前工程の活動について検討してきたが、実際にその方針が適切に定義されることはなかった。しかしインドは今回、初めて正しい行動を起こした」と説明する。「他のさまざまな要素や政策が全て、インドのためにうまく調整されたのだ。適切な政策と、半導体関連の強力なバックグラウンドを持つ2人の大臣に加え、明確なビジョンを持つ首相の存在により、インドは大きな注目を集めている。インドは数多くの人材を保有し、エコシステムはまだないが政策によってその構築をサポートしている。これは適切なアプローチだといえるだろう」(同氏)

「India Semiconductor Mission」 「India Semiconductor Mission」のWebサイトのトップページ

 さらにManocha氏は、「インドが非常に良いスタートを切ることができたのは、Micron Technologyの功績だ。同社は、最初に思い切った判断を行い、その方針を信じ、他のメーカーに変化を起こすきっかけになると考えた。その“触媒”としての役割は機能している」と続けた。2024年3月には、Tataによる組み立て/テストと、もう1つ別のTata工場、そしてIII-V族化合物半導体の工場という、3つが発表された。「まだ始まりにすぎないが、これだけでは不十分だ。このような発表がさらに増えていかなければならない。インドがうまく対応して、世界の他の国々と一体化し、エコシステムを確実に構築することができれば、その可能性はある」(同氏)

続く人材不足

 ISS 2024の基調講演でManocha氏は、人材不足がいかに深刻な問題であるかを語った。同氏はビデオインタビューで、「半導体業界はSTEMベースの人材を必要としている。欧米におけるSTEM人材の問題は、ここ20〜30年の間に小学校でのSTEM教育の量が2分の1になったことに起因する。アジア諸国ではSTEM人口そのものが減少しているが、欧米ではSTEMへの関心が低下しているのだ」と語った。

 さらに、半導体産業が社会の変革に関わるものである、という認識も少ないと指摘する。「気候変動のような課題に対して、半導体は解決策の一部になり得るのだ。半導体業界に携わることは、世界を変えることができるかもしれない。それを若い人たちに伝えたい」

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