Infineon Technologiesが2024年3月14日(ドイツ時間)、中国のGaNパワー半導体メーカーInnoscienceをGaN技術に関する特許侵害で提訴した。
Infineon Technologies(以下、Infineon)は2024年3月14日(ドイツ時間)、中国のGaN(窒化ガリウム)パワー半導体メーカーInnoscienceをGaN技術に関する特許侵害で提訴したと発表した。
提訴は同日付で、Infineonは子会社であるInfineon Technologies Austriaを通じ、Innoscienceおよび同社子会社のInnoscience Americaおよび関連会社を提訴。Infineonは、GaN技術に関する米国特許の侵害について永久的差し止めを求めている。
Infineonは特許侵害の範囲について「GaNパワー半導体の核心部分を含むもので、Infineon独自のGaNデバイスの信頼性と性能を可能にする技術革新を網羅している」と説明。Innoscienceが自動車、データセンター、太陽光発電、モータードライブ、家電および自動車、産業用、商業用アプリケーションで使用される関連製品など、多数の用途に使用されるGaNトランジスタを含むさまざまな製品を製造、使用、販売および米国に輸入することなどによって、Infineonの特許を侵害していると主張している。
Infineonのパワー&センサーシステムズ(PSS)事業本部プレジデント、Adam White氏は、「GaNパワートランジスタの製造には全く新しい半導体設計とプロセスが必要だ。GaNに関し20年近くの経験を有するInfineonは、「各最終製品で最高の性能を発揮するために必要な卓越した品質を保証する能力がある。当社は知的財産を積極的に保護し、全ての顧客とエンドユーザーの利益のために行動する」とコメントしている。
Infineonは2015年にInternational Rectifierを買収。同年にパナソニックとGaNパワー半導体開発で協業すると発表し、共同開発品であるノーマリーオフのGaN-on-Siトランジスタ構造を採用した「CoolGaN」を展開しているほか、2023年にはGaN Systemsを買収し、GaNパワー半導体市場でのシェア拡大に向けた動きを加速している。
Innoscienceを巡っては、米国のGaNパワー半導体メーカーであるEPCも2023年5月、GaN技術に関する同社の基本的な特許ポートフォリオのうち4件の特許に関して、Innoscienceが特許を侵害したとして提訴している。
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