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300mmファブ装置投資額、2025年に初めて1000億ドル超えにメモリ市場回復とHPC/車載用途の需要増で

SEMIは、世界の300mm半導体前工程ファブ用装置への投資額が、2025年に初めて1000億米ドルを超え、2027年には1370億米ドルに達するとの予測を示した。メモリ市場の回復とHPC/車載用途の需要増が理由だ。

» 2024年03月25日 11時30分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 SEMIは2024年3月19日(米国時間)、世界の300mm半導体前工程ファブ用装置への投資額が、2025年に初めて1000億米ドルを超え、2027年には1370億米ドルに達するとの予測を示した。主因はメモリ市場の回復とHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)および車載用途の強力な需要増加で、2025年には前年比20%増の1165億米ドル、2026年には同12%増の1305億米ドルと成長を続ける見込みだ。300mmファブに関するレポートの最新版で明らかにした。

世界の300mmファブ設備投資額の推移 世界の300mmファブ設備投資額の推移[クリックで拡大] 出所:SEMI

中国は毎年300億ドルを投資 台湾と韓国が続く

 地域別に見ると、中国は政府支援と国内自給政策によって今後4年間にわたり毎年300億米ドルを投じる見込みで、引き続き300mmファブの設備投資をリードすると予測される。

 台湾と韓国では、デバイスメーカーがHPCに向けた最先端ノード需要の拡大とメモリ市場の回復によって投資額を増やしている。台湾の投資額は2024年には203億米ドルとなる見込みで、2027年には280億米ドルへ増加して世界で2位となると予想される。韓国の投資額は2024年の195億米ドルから2027年には263億米ドルへ増加し世界3位になる見込みだ。

 米州の投資額は、2024年の120億米ドルから2027年には247億米ドルへ倍増するとみられる。

 その他の地域における2027年の投資額は、日本では114億米ドル、欧州および中東では112億米ドル、東南アジアでは53億米ドルに達する予測だ。

ファウンドリー分野は生成AI/車載/インテリジェントエッジ需要で成長

 分野別に見ると、ファウンドリー分野の300mmファブ装置投資額は、2023年から2027年にかけて年平均成長率(CAGR)7.6%で増加し、2027年には791億米ドルに達すると予測される。10nm以上の成熟ノードの投資減速などから2024年の投資額は前年比4%減の566億米ドルとなる見込みだが、生成AI(人工知能)や車載用途、インテリジェントエッジデバイスの需要は旺盛で、他の分野を上回る成長記録を継続するという。

 メモリ技術への投資もますます拡大している。AIサーバに不可欠なデータスループットの向上が広帯域幅メモリ(HBM)の需要増加を強く喚起しているためで、全分野の中でもメモリ分野は2番目の投資額となる見込みだ。2023年からCAGR 20%の高成長により、2027年の投資額は791億米ドルに達するとみられる。また、DRAMの投資額は2027年に252億米ドル(CAGR 17.4%)に、3D(3次元)NAND型フラッシュメモリの同年の投資額は168億米ドル(CAGR 29%)に達すると予測される。

 他の分野でもそれぞれ投資が増加する見込みで、2027年の300mmファブ装置投資額は、アナログ分野で55億米ドル、マイクロ分野で43億米ドル、オプト分野で23億米ドル、ディスクリート分野で16億米ドルとなる見込みだ。

安全保障の強化に向け「アジアとそれ以外の地域の差が縮まる」

 SEMIのプレジデント兼CEO(最高経営責任者)であるAjit Manocha氏は、「今後数年間で予測される300mmファブ設備投資の急成長は、各市場での電子機器需要の拡大やAIイノベーションによる新たなアプリケーションの波に対応するために必要な生産能力を反映するものだ」と分析した。また、経済と安全保障の強化に向けて各国政府による半導体製造業への投資の重要性が高まっているとして、「この傾向によって、長年投資をリードしてきたアジア諸地域と再新興地域/新興地域との投資額のギャップが、大幅に縮小することが予測される」という。

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