Rapidus、シリコンバレーに新会社設立 AI半導体の顧客開拓を加速 : 2nm半導体の研究も「順調」と強調
Rapidusは2024年4月、米国カリフォルニア州シリコンバレー地域に新会社を設立した。AI(人工知能)半導体のさらなる顧客開拓と設計支援を目指す。
Rapidusは2024年4月12日、米国カリフォルニア州シリコンバレー地域のサンタクララに、新会社のRapidus Design Solutionsを設立したと発表した。米国におけるAI(人工知能)半導体の顧客開拓と設計支援の加速を目指す。
新会社設立の記者会見の様子。左からIBM Research 半導体部門ゼネラルマネジャーのMukesh Khare氏、Rapidus 社長の小池淳義氏、Rapidus Design Solutions ゼネラルマネジャー兼社長のHenri Richard氏[クリックで拡大] 出所:Rapidus
昨今、AI半導体の重要性がますます高まっていることから、Rapidusは顧客開拓を加速させるため、AI関連企業が集中するシリコンバレー地域にオフィスを開設することにしたという。
Rapidus Design Solutionsの責任者にはゼネラルマネジャー兼社長として、Henri Richard氏が就任する。Richard氏はフランスでのIT関連企業の起業の後、AMDやIBM、NetApp、SanDiskといった米国の半導体関連企業/IT関連企業でエグゼクティブとしてセールスおよびマーケティング関連業務を経験している。
新会社設立にあたってRapidusは、2024年4月11日(米国時間)にサンタクララで記者会見を行った。会見にはRichard氏に加え、Rapidus 社長の小池淳義氏、IBMの研究部門であるIBM Researchで半導体部門ゼネラルマネジャーを務めるMukesh Khare氏が参加した。なお、Khare氏は2nm世代半導体の量産技術開発のためにRapidusとIBMが協働しているプロジェクトの責任者で、会見ではその研究活動が順調に進んでいることも説明した。
Rapidusへの政府支援は累計9200億円に、後工程プロジェクトも発進
Rapidusは2024年4月2日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に提案し、採択された先端半導体前工程のプロジェクトの2024年計画/予算が承認され、また、新たに提案していた先端半導体後工程のプロジェクトが採択されたと発表した。追加の支援額は、前工程プロジェクトが最大5365億円、後工程プロジェクトが最大535億円だ。
Rapidusとの連携も視野に――「ASRA」が車載用SoCの開発計画を発表
自動車用先端SoC技術研究会(Advanced SoC Research for Automotive/ASRA)は2024年3月29日、記者説明会を開催し、車載用SoC(System on Chip)の開発計画などについて語った。スズキと日立AstemoがASRAに加入したことも併せて発表し、「設立当初から参画を予定していた14社がようやく出そろった」とコメントした。
RapidusとTenstorrent、2nmプロセスでのエッジAIアクセラレーター開発/製造で協業
RapidusはTenstorrentと協業し、2nmプロセスベースのエッジAI(人工知能)アクセラレーターの開発/製造を行うと発表した。国際連携によって、生成AIを含むエッジ推論処理専用のエッジAIアクセラレーター開発を推進するという。
経産省、2nm以降の先端半導体開発に450億円 Rapidus後押し
経済産業省は2024年2月、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の実施事業者として技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)を採択した。2nm世代以降の先端半導体開発に向け、計450億円を支援する。
imecも全幅の信頼、Rapidusの「成功の定義」とは何か
imecや経済産業省など、Rapidusの支援を公言する組織/企業は多い。さらに、米TenstorrentやフランスLetiなど、Rapidusとパートナーシップを締結する企業や機関も増えている。それはなぜなのか。2023年11月に開催された「ITF(imec Technology Forum) Japan」で見えてきたその理由と、Rapidusにとっての「成功の定義」をあらためて考えてみたい。
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