経済産業省は2024年2月、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の実施事業者として技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)を採択した。2nm世代以降の先端半導体開発に向け、計450億円を支援する。
経済産業省(経産省)は2024年2月9日、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の実施事業者として技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)を採択したと発表した。2nm世代以降の先端半導体開発に向け、計450億円を支援する。
今回、LSTCの採択が決定した研究テーマは「2nm世代半導体チップ設計技術開発」「Beyond 2nm世代向け半導体技術開発」の2件だ。経産省は前者に280億円、後者に170億円の計450億円を支援する。
2nm世代半導体チップ設計技術開発の研究では、2nm世代以降を狙う次世代半導体設計技術として、生成AI(人工知能)を含むエッジ推論処理の用途に専用化したエッジAIアクセラレーターの開発を進める。具体的には、業界標準に対応したAIアクセラレーター向け統合アーキテクチャの開発、2nm技術によるアクセラレーターチップの開発、エッジAIに最適化された2nmベースのCPUチップの開発、業界標準のAIフレームワークを利用可能なソフトウェア開発基盤の構築を行う。
Beyond 2nm世代向け半導体技術開発の研究では、2nm世代よりもさらに高性能な半導体(Beyond 2nm)の実現に向けた革新的技術として、Beyond 2nm向けデバイス/材料/プロセス要素技術および短TAT(Turn Around Time)/クリーンプロセス装置技術を開発する。この技術の開発によって、半導体の高性能化を進めるほか、製造期間の短縮や製品の早期市場投入を後押しし、日本の半導体製造の競争力強化とシェア挽回につなげることが期待されるという。
経済産業大臣の齋藤健氏は、2024年2月9日に開催した記者会見で「性能と消費電力を両立するAI半導体設計技術を開発することで、Rapidusが取り組む2nm世代の半導体製造事業の需要創出につながることが期待される。また、2nm世代以降の先端半導体に関する技術開発に取り組むことで、Rapidusの持続的な競争力の強化にもつながっていくものと期待している」とコメントした。
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