データセンター向けとしては、Intelは近々発表予定のプロセッサであるXeonのプレビューを提供し、新しいAIアクセラレーターとネットワーキングソリューションを紹介した。
まず、Xeonについて、Intelは第6世代品である「Xeon 6」(開発コード名「Granite Rapids」)のプレビューを披露した。プロセッサをワークロード要件により適合させるために、新しい高効率コア「E-core」と高性能コア「P-core」を搭載した数多くのSKU(Stock Keeping Unit)を提供するという。Intelによると、E-core搭載品(開発コード名「Sierra Forest」)は、旧世代品と比べて電力性能を2.4倍に、1ラック当たりの性能を2.7倍にそれぞれ高めることが可能だという。P-core搭載品はMXFPのデータ形式(MX Allianceが策定した規格)をサポートし、第4世代のXeonでFP16を使用する場合と比べると、レイテンシを6分の1未満に低減することが可能だ。また、700億パラメータの「Llama-2」のような大規模言語モデル(LLM)を実行する機能も提供するという。E-core搭載/P-core搭載の両製品とも、2024年後半に発売を開始する予定だ。
続いて紹介したのは、トレーニング/推論用の新型AIアクセラレーター「Gaudi 3」だ。Intelによると、Gaudi 3は旧世代の「Gaudi 2」と比較して、FP8データフォーマットを使用したAI性能を2倍に、現在普及が進んでいるbfloat16データフォーマットを使用したAI性能を4倍に高められるほか、2倍のネットワーク帯域幅と、1.5倍のメモリ帯域幅を実現可能だという。
Gaudi 3の技術仕様やその他の詳細に関しては、Tirias Researchの主席アナリストであるFrancis Sideco氏が別の記事に記している。Gaudi 3は2024年第2四半期に、OEM各社からメザニンカードやユニバーサル基板、PCIeアドインカードなどのフォームファクタで、またサーバベンダー大手のDellやHPE(Hewlett Packard Enterprise)、Lenovo、Supermicroなどからも発売される予定だ。なお、IntelはGaudi 3のコストパフォーマンスの高さをうたうが、価格については明らかにしていない。
データセンター関連で最後に発表されたのは、新しいAIネットワークインタフェースカード(NIC)である。Intelによると、このAI NICは、高速イーサネット規格の策定を推進する団体「Ultra Ethernet Consortium(UEC)」が開発を進めている、AI/HPCワークロード向けの新しいオープンイーサネットベースのネットワーク接続標準規格をサポートするという。この新しい標準規格は、AIワークロードの独自の需要や、大規模AI導入に向けたプラットフォームのスケールアウトを支援する。
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