応用分野別の売り上げを見ていこう。WDは売り上げを3つの分野に分けて公表している。すなわち、「クラウド(Cloud)」(パブリックあるいはプライベートのクラウド向け)、「クライアント(Client)」(直接販売、あるいは代理店経由の販売によるOEM向け)、「コンシューマー(Consumer)」(リテールそのほかの販売チャンネルによる一般消費者向け)、の3つである。
「クラウド」分野の売上高は前四半期比(前期比)45%増、前年同期比29%増の15億5300万米ドルである。前期と同様、データセンター向けニアラインHDDの出荷増と価格上昇が増収に寄与した。フラッシュメモリ応用品の売上高も前期比で増加した。クラウド分野が全体の売り上げに占める比率は45%で、前期から10ポイント増と大きく上昇した。
「クライアント」分野の売上高は前四半期比(前期比)5%増、前年同期比20%増の11億7400万米ドルである。前期に比べてフラッシュ応用品の販売価格が上昇してビット換算の出荷減を補った。HDDの売り上げは前期から減少した。クライアント分野が全体の売り上げに占める比率は34%で、前期から3ポイント低下した。
「コンシューマー」分野の売上高は前四半期比(前期比)13%減、前年同期比17%増の7億3000万米ドルである。季節要因によってフラッシュ応用品とHDDの売り上げは前期に比べて同じように低下した。コンシューマー分野が全体の売り上げに占める比率は21%で、前期から7ポイント低下した。
次は製品分類別の業績である。WDは「フラッシュ応用品」と「HDD製品」の売上高や粗利益率(Non-GAAPベース)などの数値を公表してきた。「フラッシュ応用品」の2024会計年度第3四半期(2024年1月〜3月期)における売上高は前四半期比(前期比)2.4%増、前年同期比30.5%増の17億500万米ドルである。前期比は4四半期連続、前年同期比は2四半期連続で増加した。
フラッシュ応用品の粗利益率は27.4%である。前期の7.9%から大幅に上昇した。ビット換算の出荷容量は前期比15%減と前期の同2%減からさらに低下した。記憶容量当たりの平均販売価格(GB単価)は、全製品(Blended)が前期比18%増、同一製品(Like-for-like)が同18%増と2期連続で上昇した。
「HDD製品」の2024会計年度第3四半期(2024年1月〜3月期)における売上高は前四半期比(前期比)28.2%増、前年同期比17.1%増の17億5200万米ドルである。粗利益率は31.1%と前期と比べて大きく上昇した。前期の粗利益率は24.8%だった。総出荷記憶容量は前四半期比41%増と大きく伸びた。
HDD製品の販売台数は、クラウド向けが730万台、クライアント向けが250万台、コンシューマー向けが190万台である。それぞれ前の四半期と比べ、140万台増、20万台減、30万台減となった。
HDD製品全体の販売台数は1170万台である。前の四半期からは90万台増加した。HDD製品の平均販売価格(ASP)は145米ドルである。前の四半期からは23米ドル上昇した。
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