STマイクロエレクトロニクスは「ワイヤレスジャパン 2024」(2024年5月29〜31日/東京ビッグサイト)に出展し、Lora変調対応のSoC(System on Chip)「STM32WL55JCI」や超低消費受信待機ができるサブギガヘルツ帯無線SoC「STM32WL33」を展示した。
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は「ワイヤレスジャパン 2024」(2024年5月29〜31日/東京ビッグサイト)に出展し、LoRa変調対応のSoC(System on Chip)「STM32WL55JCI」を使ったサブギガヘルツ帯(920GHz帯)ワイヤレスソリューションを展示した。
STM32WL55JCIは、汎用マイコンとサブギガヘルツ対応トランシーバーを1チップに集積したSoCだ。「Arm Cortex-M4」および「Arm Cortex-M0+」をベースとしていて、LoRa/FSK/MSK/BPSK変調方式に対応する。LoRa変調方式に対応することで、数キロメートル先へのデータ伝送を実現。1個で複数のモーターを制御できるため、工場などの広いスペースのモーターを一元管理できる。
ブースでは、STM32WL55JCIを使ってプロペラ(ブラシレスモーター)をセンサーレスで遠隔制御するデモが展示された。まず、STM32WL55JCIから長距離IoT(モノのインターネット)向けSiP(System in Package)モジュール「STM32WL5MOC」にブラシレスモーターの駆動/停止や加速/減速などの指令を無線伝送する。指令を受け取ったモジュールは、モーターコントローラー「STSPING4」およびマイコン「STM32G4」を搭載した評価ボードに指令を出し、プロペラ(モーター)を操作する。モーターの回転数や稼働状況は、STM32WL55JCIに常時フィードバックされる。
サブギガヘルツ帯無線SoC「STM32WL33」を使った超低消費受信待機のデモも展示した。
STM32WL33は、常時受信待機することで、ビーコン発信機からのウェイクアップ信号(OOK変調信号)を4μAで受信/起動できる。起動後は通常のマイコン/トランシーバーとして使用できる。起動後は、受信時で5.6mA、+10dBm、出力時で8mAで、最大出力は+20dBmだ。周波数は413M〜479MHz/826M〜958MHzに対応する。
デモでは、STM32WL33の受信待機中と、ウェイクアップ信号(OOK変調信号)を受信した際の消費電力を計測するデモが展示された。
アプリケーションについて、STの担当者は「マンションのエントランスのスマートロックや、電気/水道などのインフラ関連の点検時などを検討している。電力供給が可能な設置用のデバイスにビーコン発信機を設置し、携帯用のデバイスにSTM32WL33を組み込むことで、近づくだけで起動し、情報を簡単に取得できるようになる」と語った。
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