WSTS(世界半導体市場統計)によると、2024年の世界半導体市場規模は2023年に比べ16.0%増の6112億3100万米ドルとなり、再拡大すると予測した。多くの製品がマイナス成長となる中で、メモリや一部のロジック製品などAI(人工知能)関連の需要が急拡大する。
WSTS(World Semiconductor Trade Statistics/世界半導体市場統計)は2024年6月4日、2024年春季半導体市場予測を発表した。2024年の世界半導体市場規模は2023年に比べ16.0%増の6112億3100万米ドルとなり、再拡大すると予測した。多くの製品がマイナス成長となる中で、メモリや一部のロジック製品などAI(人工知能)関連の需要が急拡大する。
今回の春季市場予測は、2024年3月までの実績値を基に作成された。WSTSには現在、48社の半導体メーカーが加盟している。加盟各社は、WSTS半導体市場統計を参照して作成された予測値を基に、予測会議を2024年5月21〜23日の3日間、神戸で行った。会議では、マクロ経済や主要な電子機器の動向も加味しながら予測することになっている。
2023年の世界半導体市場は2022年に比べ8.2%減の5268億8500万米ドルとなった。「世界的なインフレやそれに伴う利上げ、地政学的リスクの高まりなどが個人消費や企業の設備投資に影響を及ぼした」とみている。AI関連や自動車向け以外の半導体需要が低調に推移した。
2024年の世界半導体市場は、前年比16.0%増を見込む。AI関連でメモリや一部ロジック製品の需要が急拡大しているためだ。一方で、それ以外の分野では急回復が期待できないと判断し、多くの製品でマイナス成長と予測した。
2025年については、前年比12.5%増の6873億8000万米ドルと予測した。AI関連の需要に加え、環境対応や自動化といった領域で、半導体需要の継続的な拡大を見込んでいる。なお、為替レートは、1米ドルに対し2023年が140.4円、2024年以降は148.5円とした。
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