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2Mピクセルの低価格カメラでも車間距離を測定可能に、日本TI人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA

日本テキサス・インスツルメンツは、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」(2024年5月22日〜24日/パシフィコ横浜)に出展し、ADAS(先進運転支援システム)の実現に向けて、低価格カメラを使った車体検知や車間距離を測定するデモを展示した。

» 2024年06月12日 13時30分 公開
[半田翔希EE Times Japan]

 日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」(2024年5月22日〜24日/パシフィコ横浜)に出展し、ADAS(先進運転支援システム)の実現に向けたSoC(System on Chip)製品群やデモを展示した。

低価格カメラで車体検知や車間距離を測定

 日本TIは、低価格の2Mピクセルのフロント向き120度視野カメラ1台、短距離コーナーレーダーセンサー2台で取得した情報を車載向けSoC「TDA4VM-Q1」で処理し、走行中の自動車を検知し、車間距離を測定するデモを展示した。

 TDA4VM-Q1は、64ビットの「Arm Cortex-A72」コアを4つ、MCUアイランドに「Arm Cortex-R5F」を6つ用いた車載用プロセッサだ。機能安全はASIL-Dに対応している。担当者は「従来技術では、レーダーセンサーを1台追加するか、5Mピクセル以上のカメラが必要だ。しかし、TDA4VM-Q1を使用することで、低価格帯のカメラでも映像生成や車間距離測定の性能を維持できている」と説明した。

TDA4VM-Q1を使用した車間距離測定のデモデモボード 左=TDA4VM-Q1を使用した車間距離測定のデモ/右=デモボード[クリックで拡大]

 また、5台の2Mピクセルカメラ、1台のセンサーで取得した映像をTDA4VM-Q1で処理することで、自動車を上空から撮影したような三人称視点での映像を生成するデモも展示した。カメラを自動車の前方に2台、左右に各1台、後方に1台搭載することで、自動車の周囲の状況を客観的に把握しながら、自動車の運転支援が可能になる。

5台の2Mピクセルカメラで取得した情報を使用した自動車の周辺状況監視のデモ 自動車の周辺状況監視のデモ。5台の2Mピクセルカメラで取得した情報をTDA4VM-Q1で処理している。[クリックで拡大]

 1台の2Mピクセルカメラや、ADAS向けのコンピュータビジョンや映像認識アルゴリズムを手掛けるPhantom AIが開発した「Phantom AI」、日本TIのエッジAI(人工知能)向けSoC「AM62A-Q1」を使用した普及価格帯車両向けのフロントカメラソリューションも展示した。AM62A-Q1は、「Arm Cortex-A53」コアを4つ、Arm Cortex-R5Fを2つ搭載したエッジAI向けプロセッサだ。

 デモでは、1台のカメラでズーム/通常/広角の3種類の映像情報を取得。映像に映っている自動車の大きさや速度からおおよその車間距離をPhantom AIで推定するデモを展示した。担当者は「TDA4VM-Q1を使用した車間距離予測ソリューションとは異なり、レーダーセンサーを搭載していないため、正確な車間距離測定はできない。一方で、1台のカメラで取得した映像をPhantom AIで分析、補完することで安価に車間距離の予測が可能になる」と説明した。

1台の2MピクセルカメラとPhantom AIを使用して自動車の車間距離を推定するデモデモボード 左=1台の2MピクセルカメラとPhantom AIを使用して自動車の車間距離を推定するデモ/右=デモボード[クリックで拡大]

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