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ECTCのプレナリーセッションで新材料のスタートアップ3社を紹介福田昭のデバイス通信(464) ECTC現地レポート(2)(1/4 ページ)

引き続き、「ECTC 2024」の現地レポートをお届けする。2024年5月30日のプレナリーセッションでは、半導体パッケージングのスタートアップ企業3社が講演を行った。今回は、この3社のプレゼン内容を紹介する。

» 2024年07月02日 10時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

AIコンピューティング、スタートアップ、人材育成が日替わりのテーマ

 半導体のパッケージ技術とはんだ付け技術の研究開発成果を披露する国際学会「The 2024 IEEE 74th Electronic Components and Technology Conference」(略称は「ECTC 2024」)が2024年5月28日〜31日(現地時間)に米国コロラド州デンバーのガイロードロッキーズリゾートアンドコンベンションセンター(Gaylord Rockies Resort & Convention Center)で開催された。

 「ECTC(イーシーティーシー)」は、実装技術(半導体のパッケージ技術や半導体を基板にはんだ付けする技術などの総称)分野では最も良く知られた国際学会であり、同分野では世界最大の開催規模を誇る国際学会でもある。

 幸いにして筆者は、「ECTC 2024」を現地取材する機会に恵まれた。ECTCを取材するのは11年振りである。そこで本コラムでは前回から、「ECTC 2024」の現地レポートをシリーズでお届けしている。ECTCの会期は4日間(火曜日から金曜日)で、始めの1日間は「プレイベント(前日イベント)」日として技術講座(別料金)やワークショップ、パネル討論会などを実施する。続く2日目〜4日目が「メインイベント(技術講演会およびポスター発表)」と「サブイベント」となる。また2日目と3日目には展示会が開催される。

 前日イベントの様子は、前回にお伝えした。続くメインイベント(技術講演会およびポスター発表)は3日間とも、プレナリーセッション(「メインステージモーニングセッション」と呼称)から始まる。初日(29日)はキーノート講演、翌日(30日)はベンチャー企業(スタートアップ企業)によるショート講演と質疑応答、最終日(31日)は人材(主に技術者と研究者)の育成に関するパネル討論である。

 この構成は半導体関連の著名な国際学会であるISSCC、IEDM、VLSIシンポジウムとはかなり違う。プレナリーセッションといえば「キーノート講演(プラス開会挨拶や表彰式など)」というのがこれらの学会における定番メニューである。ところがECTCの場合、キーノート講演は初日の1件だけで、日替わりでまったく異なるメニューを出してきた。この見慣れない構成にはいささか戸惑った。

プレナリーセッション(メインステージモーニングセッション)の会場 プレナリーセッション(メインステージモーニングセッション)の会場。円形テーブルが並ぶ。大型スクリーンは前側に3面、後面に2面が配置されていた。5月29日午前8時前(現地時間)に筆者が撮影したもの[クリックで拡大]
ECTC 2024のプレナリーセッション(メインステージモーニングセッション)概要 ECTC 2024のプレナリーセッション(メインステージモーニングセッション)概要。筆者がECTCの公式ウェブサイトやプログラムなどからまとめたもの[クリックで拡大]
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