ショート講演に登壇したパネリストは5人。3人は米国の業界団体と研究組織、企業、1人はフィンランドの政府系公社、1人は中国の大学を代表して講演した。講演の順番は米国SRC(Semiconductor Research Corp.)、フィンランドBusiness Finland、米国NYCREATES(New York Center for Research, Economic Advancement, Technology Engineering and Science)、中国Central South University(中南大学)、米国Texas Instrumentsである。
ここでお詫びしなければならないことがある。31日のプレナリーセッションは個人的なトラブルによって最初のショート講演(SRC)は聴講できず、2番目の講演(Business Finland)の途中から聴講することになってしまった。読者に対するご不便をお詫びします。
そのBusiness Finland(ビジネスフィンランド)はフィンランド雇用・経済省(Finnish Ministry of Employment and the Economy)の下部組織であり、研究開発向け投資基金、海外からの投資誘致、観光(海外からの観光)促進などの機能を備える。Head of Microelectronics, Photonics and QuantimをつとめるToni Mattila氏が講演した。
Mattila氏の講演によるとフィンランドの半導体産業では2022年に6670人が働いている。2023年の生産額は約20億ユーロである。ここから12年後の2035年には生産額が約3倍の60億ユーロに達すると予測する。
そして半導体産業は2035年に2万名の従事者を必要とする。2022年〜2035年には2300人が退職すると見込まれるので、増員すべき人数は1万5660人になる。内訳は博士号取得者が1720人、修士号取得者が8770人、学士号取得者が3600人、高等学校/職業訓練校卒業者が1750人である。
言い換えると2035年には1万5000人を超える従事者が不足することになる。総人口が550万人(2024年、ワールド・データ・アトラス)、15〜24歳人口が61万人(2020年、同上)と少ないフィンランドにとってはかなり大きな課題だろう。人材不足に対処するため、あらゆる水準での教育に対する投資、移民(外国人雇用)の活用、学生に対する半導体産業のイメージアップとプロモーション活動、企業と教育機関の連携強化、などに取り組んでいるとする。
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