レゾナックは、半導体材料ベンダーでありながらパッケージングについても他社と共同で評価/検証を行ってきた。2019年から同社のパッケージングソリューションセンター(川崎市)では他社と共同で先端パッケージの評価/検証を行っていて、同センターを拠点としたパッケージングの技術開発のためのコンソーシアム「JOINT」「JOINT2」も設立している。
US-JOINTはレゾナックのこうした経験を基に、後工程の重要性が高まっている潮流を踏まえて設立するものだ。
US-JOINTのコンセプトは「顧客のすぐ近くで、スピーディーかつ緊密な共創・すり合わせを行う」というものだ。主なターゲット顧客は半導体メーカー/大手テック企業/ファブレス/スタートアップなど。JOINT2は「顧客に提案する前にメーカーが技術をブラッシュアップするための練習場のようなものだった」(阿部氏)が、US-JOINTは研究開発段階から顧客と共に検証を行うことを目的としているという。
阿部氏はコンソーシアムの拠点としてシリコンバレーを選んだことについて「多くのテック企業が集まる場所だ。物価の高騰などがありコスト面では大変だが、最新の半導体が生まれる場の近くにいることが重要だと考えた」と語った。
US-JOINTで取り組む試作ラインは、先端パッケージの微細バンプ/微細配線/チップ埋め込みの3種類だ。
これまでの米国における半導体業界のコンソーシアムは前工程の研究開発に関するものが中心だった。後工程に照準を合わせるUS-JOINTの取り組みはターゲット顧客とする企業からの反応も上々だといい、「『後工程の研究開発拠点がシリコンバレーにできることはありがたい』『いつから稼働するのか』といった声があった」(阿部氏)という。
レゾナックの事業への影響については、阿部氏は「US-JOINTから新規技術が生まれれば、レゾナックの材料がそこに採用される最初の材料になる」と語り、自社製品が新規技術のデファクトスタンダード(事実上の標準)となることを目指すとした。
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