三井化学が三フッ化窒素事業から撤退、半導体プロセス材料:海外品との価格競争激化
三井化学が、半導体/液晶製造装置のクリーニングガスとして使用される三フッ化窒素事業から撤退する。海外品との価格競争の激化などが要因。2026年3月末に生産を停止し、同年内に販売も終了する。
三井化学は2025年5月26日、半導体/液晶製造装置のクリーニングガスとして使用される三フッ化窒素(NF3)事業から撤退すると発表した。2026年3月末に生産を停止し、同年内に販売も終了する。
同社はICTソリューション事業本部半導体・光学材料事業部において、NF3事業を展開。100%子会社である下関三井化学(山口県下関市)で、NF3を製造してきた。NF3は、半導体/液晶製造装置用クリーニング剤、ドライエッチング剤として用いられる。
三井化学は今回の決定について、海外品との価格競争の激化や原料およびユーティリティー費用の増加、修繕費などのコスト上昇によって「事業採算は極めて厳しい状況となっている」と説明。こうした状況に対応し、あらゆる合理化/コストダウンなどに取り組んできたが、事業を継続するための収益確保が困難と判断し、撤退を決定したとしている。
なお事業撤退による三井化学グループ業績への影響は軽微としている。
レゾナック、半導体好調も黒鉛電極不振で69%減益
レゾナック・ホールディングスは2025年12月期第1四半期(2025年1〜3月期)の決算を発表した。半導体材料は好調だったものの、ケミカル事業では黒鉛電極の市況悪化に伴い赤字が拡大。純利益は前年同期比69%減となる88億円だった。
「成長の起爆剤に」新電元が京セラのパワー半導体事業買収へ
新電元工業(以下、新電元)が京セラのパワー半導体事業を買収する。京セラが2025年10月に新会社を設立して同事業を移管、この新会社の株式を新電元が2026年1月に25億円で買収する計画だ。新電元は買収による製品ラインアップ拡充および、新たな製品/研究開発の加速などによって、シェア拡大と競争力強化を狙う。
富士通が新光電気を売却へ JIC、大日本印刷、三井化学に
富士通が、半導体パッケージ基板を手掛ける子会社の新光電気工業を、政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)などに売却すると発表した。買収総額は約6850億円に上る見通し。
レーザー改質・エッチング対応の大型TGVガラスコア基板を開発
日本電気硝子は、次世代半導体パッケージ向け基板材料として、レーザー改質・エッチング加工用とCO2レーザー加工用の「大型TGV(Through Glass Vias)ガラスコア基板」を新たに開発した。
東北大学と神戸製鋼所がタッグ、先端半導体で研究所設立
東北大学と神戸製鋼所は、先端の半導体素材や製造プロセス技術の開発に向けて、「神戸製鋼所×東北大学先端半導体用素材・プロセス技術共創研究所」を、東北大学青葉山キャンパス内に設置し、2025年6月1日より活動を始める。
半導体パッケージ基板材料市場、2026年は2桁成長
矢野経済研究所は、半導体パッケージ基板材料の世界市場を調査した。2025年のメーカー出荷金額は、前年比108.7%の4327億5000万円を見込む。2026年は同110.3%の4774億8400万円と予測した。
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