半導体後工程の自動化を推進、インテルやオムロンらが「SATAS」を設立 : 2028年の実用化を目指す
半導体メーカーや半導体製造装置/自動搬送装置メーカーおよび標準化団体など15の企業・団体は、2024年4月16日付で「半導体後工程自動化・標準化技術研究組合(SATAS)を設立した。2028年の実用化を目指し、半導体後工程の完全自動化や標準化に取り組む。
半導体メーカーや半導体製造装置/自動搬送装置メーカーおよび標準化団体など15の企業・団体は2024年5月7日、「半導体後工程自動化・標準化技術研究組合(SATAS:Semiconductor Assembly Test Automation and Standardization Research Association)を、2024年4月16日付で設立したと発表した。2028年の実用化を目指し、半導体後工程の完全自動化や標準化に取り組む。
SATASは、インテルやセミ・ジャパン、オムロン、シャープ、ダイフク、平田機工、村田機械など、半導体業界を代表する企業や団体が組合員となり、後工程の完全自動化に必要な技術やオープンな業界標準仕様の作成、装置の開発と実装、統合されたパイロットラインにおける装置の動作検証などに取り組む。理事長にはインテルの社長を務める鈴木国正氏が就任した。本部は東京都千代田区永田町の三菱総合研究所内に置く。
SATASでは、「自動搬送・保管システム」「キャリア&トレイ」「ロードボード&フロントエンドモジュール」など6つの研究テーマを設け、組合員が得意とする分野でそれぞれのメンバーとなって開発に取り組む。
半導体後工程自動化パイロットラインのイメージ[クリックで拡大] 出所:SATAS
SATASの体制[クリックで拡大] 出所:SATAS
現時点の組合員は、インテル、オムロン、シャープ、信越ポリマー、シンフォニアテクノロジー、セミ・ジャパン、ダイフク、平田機工、FUJI、三菱総合研究所、ミライアル、村田機械、ヤマハ発動機、レゾナック、ローツェである。
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