TDKは「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」に出展し、フットブレーキの電動化に向けた磁気センサーを紹介した。車載安全規格「ASIL-D」に対応するなど、信頼性の高さが特徴だ。
TDKは「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」(2025年5月21〜23日、パシフィコ横浜)に出展し、フットブレーキの電動化に向けた磁気センサーを紹介した。
自動車の電装化の中で、フットブレーキも電動化が検討されている。従来のディスクブレーキは、ブレーキペダルを押し込む力を増幅させてブレーキオイルに圧力をかけ、その油圧でピストンを押し、ブレーキパッドを押さえつけて回転するディスクを停止させるという仕組みだ。この場合、ブレーキペダルからディスクまでは全て配管やワイヤで機械的に連結している。
一方、電動ブレーキはブレーキペダルを踏み込む角度を磁気センサーで検知し、踏み込み量をECUに伝える。その後ECUからの指示に基づきブレーキパッドを動かし、ディスクを停止させる。また、ブレーキパッドが正常に動作しているかも磁気センサーで検知する。こうした電動化によって、従来と比べワイヤなどを減らせ、軽量化や自由度の高い設計が実現するという。
ただし、ブレーキは自動車の中でも安全性に直結する領域なので、電動ブレーキシステムには厳格な信頼性が求められる。そのためTDKの磁気センサーは、システムとして車載安全規格「ASIL-D」に対応できるデータを用意しているという。「磁気センサーを展開しているメーカーが多い中でも最新の安全規格に対応していることはTDKの強みだ」(ブース説明員)。さらに、万が一の故障に備え、パッケージ内に信号処理ユニットなどを2系統用意した製品もある。
TDKは磁気センサーのラインアップとして、トンネル磁気抵抗(TMR)角度センサーとホールセンサーを用意している。「TMRセンサーはより精密な検知が可能かつ信号の劣化量が少ない。一方、ホールセンサーは広く使われているため設計のハードルが低い。TDKのホールセンサーにはデジタル出力/アナログ出力の両方に対応したものもある。設計に合わせて選んでもらえる」(ブース説明員)
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