2024年6月、「Copilot+ PC」が各社から一斉に発売された。今回、テカナリエは「Surface Laptop(第7世代)」を分解。ひと際目立っていたのが、真っ先にCopilot+ PCに対応したQualcommのチップセットだ。
2024年6月18日に、Microsoftが提唱する「Copilot+ PC」に対応(AI NPU性能40TOPS以上が必須)したPCが各社から一斉に発売された。2024年はスマートフォンでもAI機能を訴求ポイントに持つ製品が続々と発売されている。スマートフォンAI性能は30TOPS台の性能のものがほとんどだが、Copilot+ PCではスマートフォンの数字よりも10TOPSほど高いものが要求されている。
6月18日の1代目発売にはQualcommのプロセッサしかCopilot+ PCに対応しておらず、PC向けプロセッサの最大手であるIntelとAMDのチップを活用した製品は秋以降の発売となっている。既にAMDのCopilot+ PC対応プロセッサ搭載機種の早期予約は始まっており、弊社も予約開始初日に予約を完了した。スマートフォンではQualcommの「Snapdragon 8 Gen 3」、MediaTekの「Dimensity 9300」、Samsung Electronicsの「Exynos 2400」が高いAI性能を誇っており、またNPU(Neural Processing Unit)処理を高速化するためのDRAMの積載容量も従来の1.5〜2倍になっている。スマートフォンやPCのローカルAIがいよいよ本格的になってきたわけだ。
一方Appleも別ルートでAI機能の強化を図っている。「Apple Intelligence」は2024年秋にリリースされる予定である。また2024年5月に発売されたApple「iPad Pro」に採用されたプロセッサ「M4」は、前世代「M3」のNPU性能に比べおおよそ2.1倍になっている。AppleもAI機能強化を猛烈なスピードで進めているわけだ。
2024年後半には上記メーカーの新製品が出そろうので、どのような性能分布、システム構成、チップ素性(コストも含め)になっていくか、今から楽しみだ(楽しみつつ分解解析を行っていく予定)。また2025年にはMediaTekとNVIDIAの共同開発によるPC向けプロセッサデビューも予想されている。AIブームの第2波(あるいは本格的な普及)は、スマートフォン、PCに確実に広がっている。こうした成果は、第3波では過去と同じく(カーナビやネットワーク機器)車載分野などにもつながっていくことは間違いないだろう。
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