米中ハイテク戦争は、2024年11月の米大統領選以降に激化する可能性が高いという。米国EE Timesのインタビューに対しアナリストや専門家らは、「米国は中国のAI(人工知能)の発展を鈍らせるための新たな取り組みとして、Huaweiおよびそのエコシステム内の企業に対してさらなる制裁を課するとみられる」と述べている。
米中ハイテク戦争は、2024年11月の米大統領選以降に激化する可能性が高いという。米国EE Timesのインタビューに対しアナリストや専門家らは、「米国は中国のAI(人工知能)の発展を鈍らせるための新たな取り組みとして、Huaweiおよびそのエコシステム内の企業に対してさらなる制裁を課するとみられる」と述べている。
Albright Stonebridge Groupでグローバルなテック企業にアドバイスを提供するPaul Triolo氏によると、ジョー・バイデン政権は最後の数カ月で、過去2年間に計画していたいくつかの措置を実行しようとしているという。
Triolo氏はEE Timesに対し、「バイデン大統領は選挙にあたって『中国に甘い』と評価されることを恐れている。それと同時に、政権は関係の安定に向けて懸命に努力してきた」と語った。
2022年10月、バイデン政権は、経済発展と軍事的優位性の両方に不可欠な半導体技術における中国の進歩を阻止することを目的に、冷戦時代のような制裁措置を復活させた。それらの措置によって、中国のスーパーコンピュータに向けたNVIDIAとAMDのGPU輸出と、半導体製造装置および設計ソフトウェアの販売が禁止された。その数カ月後、米国は中国のメモリメーカーであるYMTCをブラックリストに載せ、米国からHuaweiへの輸出を禁止した。しかし、元米政府高官によると、半導体サプライチェーンの他の主要国が規制を回避したため、輸出規制の効果はなかったという。
Copenhagen Business Schoolの准教授であるDoug Fuller氏によると、「米国はオランダ政府を説得して、既に中国にあるASMLの深紫外線(DUV)装置『NXT:2000/2050/2100』のメンテナンスと部品交換を阻止する可能性がある」という。ASMLは、先端半導体の製造に不可欠なDUVとさらに高度な極端紫外線(EUV)リソグラフィ装置の世界唯一のサプライヤーだが、中国にはEUV装置を販売していない。
Fuller氏は、「重要な問題は、『NXT:1980Di』がどうなるかだ。NXT:1980Diは米商務省の2023年の新たな規制の下、規制対象となるはずだ。そうでなければ、中国はNXT:1980Diを輸入して、より高度な機器に必要な交換可能な多くの部品を入手できてしまう」と述べている。
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