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「Lunar Lake」ことCore Ultra 200V技術詳細 メモリ統合など設計変更も次世代AI PCに向け(1/3 ページ)

Intelは「Lunar Lake」のコード名で開発していたAI(人工知能) PC向けSoC(System on Chip)「Core Ultra 200V」を発表した。DRAMをパッケージ内に統合したほか、P-Coreのハイパースレッディングを廃止するなど、大幅な設計変更を行った。

» 2024年09月12日 13時30分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 2024年9月、Intelは「Lunar Lake」のコード名で開発していたAI(人工知能) PC向けSoC(System on Chip)「Core Ultra 200V」を発表した。

「Lunar Lake」こと「Core Ultra 200V」 「Lunar Lake」こと「Core Ultra 200V」[クリックで拡大] 出所:インテル

 Core Ultra 200Vは、Microsoftが提唱する「Copilot+ PC」対応に向けた製品だ。Intelの日本法人であるインテルは2024年6月に開催したメディア向け説明会「Intel Tech Talk」にて、Lunar Lakeの技術詳細を伝えた。登壇したインテル 技術本部 部長の安生健一朗氏は、同製品の位置付けについて「『Core Ultra』(開発コード名:Meteor Lake)の後継ではなく、あくまでフラグシップだ」と説明した。

インテル 技術本部 部長の安生健一朗氏。手にはCore Ultra 200Vの実物 インテル 技術本部 部長の安生健一朗氏。手にはCore Ultra 200Vの実物[クリックで拡大]

 Core Ultra 200V全体としては、Core Ultraと比較して消費電力を最大40%削減できるという。さらに、シングルスレッドの消費電力は約50%に抑えている。

 グラフィックス処理能力はCore Ultra比で最大1.5倍と、こちらも大幅に向上した。

 AI演算処理能力は最大120TOPS(うちCPUが5TOPS、GPUが67TOPS、NPUが48TOPS)。安生氏は「Intelは、CPU/GPU/NPUをフル活用した演算能力を提供するという戦略だ。消費電力を抑えるのか、性能を最大化するのかは、ユーザーが最適化できる」とした。

DRAMをパッケージ内に統合

 Core Ultra 200Vのアーキテクチャの大きな特徴は、Intelのプロセッサとして初めてDRAMをパッケージ内に統合している点だ。これにより、基板面積を最大250mm2削減できるほか、メモリインタフェースの消費電力は最大40%削減できる。容量は最大32GB。チップ当たりの帯域幅は最大8.5GT/秒で、LPDDR5xをサポートする。

 パッケージングには、Core Ultraで採用した3D(3次元)パッケージング技術「Foveros」を引き続き採用した。

Core Ultra 200Vでは「メモリ・オンパッケージ」を採用した Core Ultra 200Vでは「メモリ・オンパッケージ」を採用した[クリックで拡大] 出所:インテル
Core Ultra 200Vの構造 Core Ultra 200Vの構造[クリックで拡大] 出所:インテル
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