チップを冷却する方法は一つではない。Lenovoは、第6世代の液冷技術「Neptune」を発表した。同技術は、「ThinkSystem V3」と「ThinkSystem V4」ポートフォリオ全体に採用されるという。同社は10年以上前に液体を利用した独自の冷却技術を発表している。同技術は、従来の空冷システムと比較して消費電力を最大40%削減できるという。
Neptuneは直接水冷ソリューションで、温水のループを再利用してデータセンターシステムを冷却し、全てのサーバコンポーネントを低温に保つ。最新バージョンには、新しいGPUコールドプレート設計と、強化されたコールドプレート冷却ファン、フロー設計が含まれる。
一方、ZutaCoreは、ダイレクトチップ冷却技術「HyperCool」に、単相液体によるダイレクトチップ方式ではなく、水を使用しない、絶縁性冷媒によるアプローチを選択した。ZutaCoreの製品担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるShahar Belkin氏は、EE Timesのインタビューで、「液体を使用するのは難しい場合がある」と述べている。
「液体が意図した場所にとどまる保証はない。1台のゲーミングPCであれば制御可能だが、数百のCPUと数千のコネクターやチューブが詰め込まれたラックを設置したデータセンターでは極めて難しく、1カ所の水漏れがITシステムに極めて大きいダメージを与えることになる」(Belkin氏)
Belkin氏は、「ZutaCoreは電気を通さない、絶縁性冷媒を使用している。また、液体をコールドプレートに運んでそれを蒸気に変えるため、沸騰と凝縮の2段階のプロセスとなる。このようにして、プロセッサから大量の熱が取り除かれ、サーバから除去される。冷却システムには水を使用しないため、機器は腐食やその他の水関連の脅威にさらされずに済む」と説明している。
Belkin氏は、「ZutaCoreの特許取得済みのアプローチは技術的には冷却ではなく、物理的特性を利用している。実際に冷却しているわけではなく、CPUから熱を移動させているだけだ。その熱は他の場所で再利用も可能だ」と付け加えた。また、液体は独自のものではなく、さまざまなベンダーから購入できるという。
Belkin氏は、「このソリューションが持続可能である理由の一つに、この液体が不燃性で、毒性がなく、環境に優しいことがある。これは、地球温暖化への影響が非常に低い液体だ」と述べている。
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