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3225サイズで定格1250V、C0G特性MLCCをTDKが開発「業界最大」静電容量を実現(1/2 ページ)

TDKが、車載用途などで高まるコンデンサーの高耐圧化および高静電容量化への需要に応える、新たなMLCCを開発した。「C0G特性」の3225サイズ品で定格電圧1250Vと、「業界最大」(同社)の高静電容量10nFを両立。車載と一般用の両グレードを用意し、2024年12月に量産を開始する予定だ。

» 2024年10月09日 10時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 TDKが、車載用途などで高まるコンデンサーの高耐圧化および高静電容量化への需要に応える、新たな積層セラミックコンデンサー(MLCC)を開発した。同社が開発したのは、温度や電圧変化による静電容量変化が小さい「C0G特性」の3225サイズ品で、設計の最適化によって従来比25%アップとなる定格電圧1250Vと、「業界最大」※)の高静電容量10nFを両立している。

 TDKは、同製品についてAEC-Q200に対応した車載グレードの「CGAシリーズ」および一般用「Cシリーズ」のいずれでも用意し、2024年12月に量産を開始する予定だ。

※)C0G特性の3225サイズ、1250V定格電圧のMLCCとして。2024年10月TDK調べ

設計の最適化で高耐圧と高静電容量を両立

C0G特性の1250V品で3225サイズの新製品 C0G特性の1250V品で3225サイズの新製品 出所:TDK

 TDKによると近年、高温対応/高耐圧の特徴を持つSiC(炭化ケイ素)パワーデバイスを用いた回路の採用や、電気自動車(EV)の充電時間短縮のため、回路の高電圧/大電流化が加速。その際、使用される共振回路向けコンデンサーおよびスナバコンデンサーに対して、高耐圧化の要求が高まっているという。

 共振回路向けコンデンサーやスナバコンデンサーなど向けでは、温度や電圧が変化した時の静電容量変化が非常に小さいC0G特性品が適している。TDKはこれまでC0G特性品のCGAシリーズおよびCシリーズとしては1000V品を展開していたが、今回、高まる高耐圧化の要求に応えるべく、1250V品を開発。同時に設計の最適化によって、1250Vの定格電圧品で「業界最大」(同社)となる高静電容量も実現したとしている。

 MLCCでは、耐圧アップのために内部の電極間距離を広げると、静電容量は減ってしまうが、今回、同社は静電容量確保のため電極の層数や重なり面積を増やすことで静電容量向上も同時に実現した。説明担当者は「内部電極を伸ばし、重なり面積を増やすほど静電容量はアップできるが、伸ばしすぎれば、反対側まで導通してしまうなど不具合品を出してしまう危険性もある。層数についても同様だ。今回、製造の工程能力、技術力などを見極めて設計を最適化した」と説明している。

新製品の設計コンセプト[クリックで拡大] 新製品の設計コンセプト[クリックで拡大] 出所:TDK
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