次に、実装された半導体パッケージについて、同じ画像処理技術を使って、半導体パッケージ内部の検証や欠陥の検査も行った。
一般的に半導体は、実装基板への実装工程中に受ける熱ストレスや機械的ストレスを考慮して実装する。長期保管されていた半導体製品でも、同等の基準でも大丈夫なのかを検証してみた。
初めにパッケージ内部の状態を、X線解析で確認した。
これらの画像から、ICチップ、ボンディングワイヤ、リードフレームにおいては、破損や切断、クラックなどの状態は確認されなかった。
次に、基板に実装された状態で、パッケージを切断し、SEM画像解析を実施した。
これらの画像を見る限り、ICチップがリードフレームから剥離していたり、ボンディングワイヤが外れていたりといった状態は起きていないことが分かる。TSSOPパッケージの画像からは、パッケージ内のボイドなどの不具合も発生していないことが分かった。
さらに、実装した半導体製品の一つを選び、パッケージを開封して、内部の状況を確認した。具体的には、ICチップにクラックや欠けなどの問題は発生していないか、ボンディングワイヤがICチップからはがれていないかなどを観察した。分析結果を以下のSEM画像に示す。画像を見る限り、そういった不具合は発生していなかった。
2つの異なるデートコードを持つ半導体製品の在庫から3つの製品をランダムにピックアップし、それぞれのデータシートの要求事項に従って試験を行った。試験した半導体製品の保管期間は平均すると約15年になる。全ての半導体製品はそれぞれのデータシート仕様を満たし、結果のデータ分布にデートコード依存する変化は見られなかった。
製品型番 | 保管年数 | リード仕上げ | 電気的試験結果 |
---|---|---|---|
9513APC | 11 | Matte Sn | 100% |
9513APC | 3 | Matte Sn | 100% |
27S21PC | 9 | SnPb | 100% |
27S21PC | 6 | SnPb | 100% |
UC3835N | 17 | NiPdAu | 100% |
UC3835N | 9 | NiPdAu | 100% |
以上の検証結果から、長期間保管された製品であっても、電気的仕様に変化は見られず、データシートの仕様を満足することが分かった。
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