矢野経済研究所は、半導体実装工程材料・副資材の世界市場(メーカーの出荷数量ベース)を調査し、製品セグメント別の出荷見通しなどを発表した。同市場は半導体需要におおむね連動しており、2025年以降は多くの品目において3〜8%程度のプラス成長と予測した。
矢野経済研究所は2025年1月、半導体実装工程材料・副資材の世界市場(メーカーの出荷数量ベース)を調査し、製品セグメント別の出荷見通しなどを発表した。同市場は半導体需要におおむね連動しており、2025年以降は多くの品目において3〜8%程度のプラス成長と予測した。
今回の調査は、バックグラインドテープ(BGテープ)、ダイシングテープ(DCテープ)、ダイアタッチフィルム(DAF)/ダイシングダイアタッチフィルム(DDF)、ダイアタッチペースト(DAP)、エポキシモールディングコンパウンド(EMC)、液状エポキシ封止材(LMC)および、キャピラリーアンダーフィル(CUF)の7品目を対象とした。調査期間は2024年10〜12月。
コロナ禍で制限されていた経済活動が2022年以降は徐々に再開された。このため、在宅勤務などで拡大したIT機器の需要も一段落し、半導体需要も低迷した。こうした中で、2023年には底打ちし、2024年には半導体実装工程材料・副資材の市場も低迷を脱した。
品目別の2024年出荷数量は、前年比でBGテープが112.3%、DAF/DDFが112.8%、LMCが121.4%と2桁成長の見込みである。それ以外の製品も7〜8%台の伸びを見込む。また、2021〜2026年のCAGRは、LMCを除き1〜3%台で推移すると予測した。
同報告書では注目製品として、EMCやLMCを挙げた。先端半導体パッケージ向け封止材全般では、EMCを用いたトランスファ方式による樹脂成形が主流になるとみている。一方で、FO-WLPやPLPといった先端パッケージ分野では、主にLMCが採用される見通しだという。
なお、HBM(High Bandwidth Memory)製品の積層技術では、「絶縁接着フィルム(NCF)」あるいは「液状モールドアンダーフィル材(LCMUF)」が用いられている。ただ、16層以上のHBM製品では、新たな積層技術としてCu-Cu接合によるハイブリッドボンディング(HCB)方式が注目されている。将来、HCB方式が実用化されれば、NCFやLCMUFといった材料は使われなくなるとみている。
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