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「苦境乗り越え進化」目指す AI PCに復権託すIntel2025年出荷のPCは40%がAI対応に(1/2 ページ)

Intelの日本法人であるインテルは報道機関向けのセミナーを開催。2025年もAIブームが継続し、出荷されるPCの40%以上がAI対応になるとの予測を示した。

» 2025年02月13日 13時30分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 Intelの日本法人であるインテルは2025年2月6日、報道機関向けのセミナーを開催し、Intelの戦略を紹介した。会場ではIntel製品を搭載した最新のAI PCを展示していた。

各社のAI PC 各社のAI PC[クリックで拡大]

2025年もAIが話題の的 Intelは「苦しい時を乗り越えて進化」

インテル 社長 大野誠氏 インテル 社長 大野誠氏

 インテル 社長の大野誠氏は2024年を振り返って「AIがあらゆるトレンドをつなぐ共通言語だった。AIはまだ黎明期で、2025年も話題の的になることは間違いない」と述べた。

 2024年12月にはIntel CEOだったPat Gelsinger氏が退任した。現在はDavid Zinsner氏とMichelle Johnston Holthaus氏が暫定共同CEOを務めていて、正式CEOの選定が進んでいる。

 2024年第4四半期(10〜12月)の業績については「事前ガイダンスに沿った堅調な結果になった」(大野氏)とした。AI PCの出荷は2025年末までに累計1億台に到達する見込みで、2025年後半には「Intel 18A」プロセスを採用したAI PC向けプロセッサ「Panther Lake(開発コード名)」を投入予定だ。これまでのAI PC向けプロセッサは他社ファウンドリーで生産していたが、Panther Lakeからは自社で生産する。大野氏は「Intelが目指す製造プロセスのリーダーシップ復権に向けた第一歩になる。製品力向上にも期待できる」とした。

2024年第4四半期の振り返り 2024年第4四半期の振り返り[クリックで拡大] 出所:インテル

 サーバ向けプロセッサ「Xeon」シリーズも順調だという。次世代品として、2026年前半に「Clearwater Forest(開発コード名)」の発売を予定している。

 大野氏はIntelの元CEOであるAndrew Stephen Grove氏の「危機の時、駄目な会社は消え、良い会社は生き残り、優れた会社は進化する」という言葉を引用。「この言葉を改めて言い聞かせて前を向いていく必要がある。苦しい時を乗り越えてさらなる進化を遂げるのがIntelのDNAだ」と語った。

 さらに、大野氏はIntelのこれまでを振り返って「半導体の微細化技術で世界の先頭にいた頃のIntelは設計と製造の両輪がかみ合っていたが、次第にその強みが生かしきれなくなってきた。そこで、設計と製造の1対1の関係ではなく、自社製品を他社工場でも製造し、他社製品を自社工場でも扱うという『IDM 2.0』の戦略に転換した」と説明。「この戦略は、競争力の回復とサプライチェーン強靭化に寄与する。その上で新しい製品展開やAIを軸としたさらなる戦略強化を図る」とした。

Intelの戦略の変化 Intelの戦略の変化[クリックで拡大] 出所:インテル

 日本法人のインテルとしては「Technology×Supply Chain」「Technology×Customer」をテーマに戦略を立てているという。

 Technology×Supply Chainについては2024年4月に半導体後工程自動化・標準化技術研究組合(SATAS)を立ち上げ、パッケージングやテストの自動化を推進している。同年11月には新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の採択を受け、加盟企業数も増加。研究開発活動は順調に進んでいるという。

 Technology×Customerについては、PCゲーミングを盛り上げるため、PCメーカーやゲームメーカーと連携して動作検証や販売促進を行っているという。将来の人材育成に向け、学生を対象にしたプレゼンテーションコンテストなども実施している。

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