「苦境乗り越え進化」目指す AI PCに復権託すIntel:2025年出荷のPCは40%がAI対応に(2/2 ページ)
2025年のPC市場は、Windows 11への移行による買い替えニーズやAI PCの登場で、4%成長すると見込まれる。そして2025年に出荷されるPCは41%がAI対応になると予想されている。インテル 技術本部 本部長の町田奈穂氏は「人々の生活にAIが浸透し始める年になる。企業や消費者がAIの価値を引き出せるよう支援していく」と述べた。
PC市場の規模とAI搭載率の推移[クリックで拡大] 出所:インテル
2025年1月に開催された「CES 2025」では、「Intel Core Ultra プロセッサー 200Vシリーズ」「Intel Core Ultra プロセッサー 200Hシリーズ」「Intel Core Ultra プロセッサー 200HXシリーズ」「Intel Core Ultra プロセッサー 200Sシリーズ」を発表した。
Intelが「CES 2025」で発表した製品[クリックで拡大] 出所:インテル
IntelはAI PC向け製品の開発にあたって「優れたAI PCは優れたPCから始まる」というテーマを掲げているという。インテル IA技術本部 部長の太田仁彦氏は「AI PCはAI機能しか使えないものだと誤解されることもある。まず優良な性能やバッテリー持続性を備えたPCを作り、そこにAI機能を追加するというのがIntelの開発の軸だ」と説明。
2024年7月に世界規模でWindows OSがブルースクリーンになる問題が発生したのは記憶に新しい。この日、Intelでは問題の特定から復帰に向けたマニュアル作成、システム管理者への配布までを数時間で行ったという。太田氏は「ビジネスの現場ではリスクやトラブルが常に存在する。問題発生時に空港や病院、金融機関などありとあらゆるところにマニュアルを配布し、数時間以内に復帰に至ったことを誇らしく思う。それを支えたテクノロジーを新製品にもきちんと継承していく」とした。
「回復には数年」 Intelがロードマップを全面見直し
米国EE Timesが調査したアナリストらによると、Intelは、経営立て直しの道を歩み始めるに当たり、一部新製品の発売を中止し、プロセス技術のロードマップを遅らせるという。同社の回復には数年を要するとみられる。
Intelを待つ「いばらの道」 困難を極める根本的な改革
2024年12月1日付(米国時間)でIntelを去った元CEOのPat Gelsinger氏。同氏が去らざるを得なかった経緯と、これからのIntelについて考察してみたい。
暫定CEOが示唆した「Intelの今後」
2024年12月1日(米国時間)に突如として前CEO(最高経営責任者)のPat Gelsinger氏が退任したIntel。暫定共同CEOを務めるMJ Holthaus氏は同年12月11日に開催されたカンファレンスで、今後のIntelの事業計画についていくつかの手掛かりを示した。
「Intelは私の人生そのものだった」Pat Gelsinger氏がCEO退任
Intelは、同社のPat Gelsinger氏が同月1日付でCEOを退任したと発表した。取締役からも退任した。業績低迷が続くなか取締役会の衝突も一部で報じられていて、事実上の解任とみられる。同社取締役会は、新CEOの人選を行う間の暫定共同CEOとして、David Zinsner氏とMichelle(MJ) Johnston Holthaus氏の2人を指名したとしている。
Intelの苦境が人ごとではないSamsung ファウンドリー事業は崖っぷち
Intelの苦境がさまざまなメディアで報じられているが、それを「対岸の火事」では済ませられないのがSamsung Electronicsだ。Samsungのファウンドリー事業も、最先端プロセスの歩留まりや米韓での工場関連で問題が山積している。Intel同様、深刻な状況に陥っている。【訂正あり】
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