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新センサーの歩留まり「ほぼ正常な水準」に、ソニー半導体通期売上高予想を上方修正(1/3 ページ)

ソニーグループのイメージング&センシングソリューション(I&SS)分野の2024年度第3四半期業績は、売上高が前年同期から微減の5009億円、営業利益は同2%減の975億円だった。

» 2025年02月14日 10時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 ソニーグループ(以下、ソニー)は2025年2月13日、2025年3月期(2024年度)第3四半期(2024年10〜12月)の連結業績を発表した。イメージング&センシングソリューション(I&SS)分野の売上高は前年同期から微減の5009億円、営業利益は同2%減の975億円だった。なお、調整後OIBDA※)は前年同期から微増の1655億円だった。

 モバイル機器向けイメージセンサーの減収が影響したが、これは前年度にモバイル機器向けイメージセンサー新製品の生産歩留まりの影響で、売り上げが第2四半期から第3四半期にシフトしていたことなどが主な要因だという。2024年度第3四半期まで9カ月累計では前年同期比15%増の成長となった。

※調整後OIBDA(Operating Income Before Depreciation and Amortization):営業利益と減価償却費および償却費(コンテンツ資産に含まれる繰延映画製作費、テレビ放映権、自社制作のゲームコンテンツおよび原盤制作費、繰延保険契約費の償却費を除く)からソニーグループが非経常的と判断する損益を除いた指標。

スマホ市場、グローバルで緩やかに回復基調

 I&SS分野の売上高は、為替の影響(+173億円)があったものの、上述のモバイル機器向けイメージセンサーでの減収から、前年度比42億円減となった。営業利益は、為替の好影響(+118億円)やモバイル機器向けイメージセンサー新製品の量産立ち上げにおける費用の減少があったものの、製造経費の増加や減収の影響から、同22億円減で着地した。

2024年度第3四半期のI&SS分野業績と通期予想[クリックで拡大] 出所:ソニーグループ 2024年度第3四半期のI&SS分野業績と通期予想[クリックで拡大] 出所:ソニーグループ

 同社は2024年11月の決算発表時、I&SS分野の2024年度通期見通しについて『大手顧客』の生産計画見直しを反映し、売上高を800億円、営業利益を250億円それぞれ下方修正(同年8月時点比)していたが、今回、為替の影響を加味し売上高を200億円上方修正した。なお、営業利益の見通しは変更していない。

 ソニーによると、2024年度第3四半期もスマートフォン市場は引き続きグローバルで緩やかな回復基調が継続。モバイル機器向けイメージセンサーの売上高は、おおむね想定通りだったという。

 課題としてきたイメージセンサー新製品の歩留まり改善に関しては、前回の決算発表時(2024年11月)、改善が順調に進捗し、2024年度第4四半期には正常なランレートを達成できる見込みとしていた。今回、同社執行役員財務/IR担当の早川禎彦氏は「期初想定および2024年11月時点の見通しを上回って改善していて、ほぼ正常な水準に達している」と説明した。

 稼働率は、2024年度第3四半期、設営ベースで月産15万4000枚(3カ月の平均値)で、ウエハー投入枚数は1カ月当たり14万9000枚(同)だった。2024年度第4四半期は設営ベースが月産15万9000枚(同)、投入枚数は1カ月当たり15万7000枚(同)を見込んでいる。

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