キオクシアホールディングスの2024年度第3四半期累計(2024年4〜12月)業績は、売上高が前年同期比80.2%増の1兆3594億円、Non-GAAP営業利益は4156億円(前年同期は2982億円の赤字)、Non-GAAP純利益は2527億円(同2551億円の赤字)となった。売上高および営業利益は過去最高を達成した。
キオクシアホールディングス(以下、キオクシアHD)2025年2月14日、2024年度第3四半期(2024年10〜12月)連結決算を発表した。2024年第3四半期の売上高は前四半期比6.4%減の4500億円、Non-GAAP※)営業利益は同26%減の1230億円で利益率は同7.2ポイント減の27.3%、Non-GAAP純利益は同28.2%減の763億円だった。
※)Non-GAAP指標は、IFRSに基づく利益から、非経常的な項目としてPPA(Purchase Price Allocation)影響額および2022年1月下旬に発生した3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH」の特定の生産工程における不純物を含む部材を起因とする四日市工場と北上工場での操業影響額を調整したもの。
2024年12月の上場後、初の決算発表となった。同四半期は、売上高および利益は過去最高だった前四半期からは減収減益となったものの、予想のレンジ中央付近で着地。これによって9カ月累計(2024年4〜12月)業績では、売上高が前年同期比80.2%増の1兆3594億円に大きく拡大した。また、Non-GAAP営業利益は4156億円(前年同期は2982億円の赤字)、Non-GAAP純利益は2527億円(同2551億円の赤字)とそれぞれ黒字に転換。売上高および営業利益は過去最高を達成した。
キオクシアホールディングス副社長、渡辺友治氏は冒頭、市場環境や展望について言及。フラッシュメモリは足元ではスマートフォンやPC向け需要が一時的に軟調に推移する見通しで、需要に応じた生産の調整を行うとしつつも、大容量ストレージを必要とするAIの急速な普及が「さらなる成長の原動力になると考えている」と説明。SSDはAI向けと従来サーバ向け需要が堅調に推移する見込みで「テクノロジー企業によるAIへの継続的な投資は底堅く、今後AI関連では学習サーバに加え、推論サーバ向け需要も将来的に拡大すると予想してる」と期待を見せていた。
2025年後半からは全体的なフラッシュメモリの需要回復も見込んでいるといい、最新世代の同社3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH 第8世代」の生産/販売を拡大していく方針。渡辺氏は「(BiCS FLASH第8世代は)最新のCBA(CMOS directly Bonded to Array)技術を導入し、大容量/高性能/低消費電力を備え、コストも含め競争力のある製品と考えている。AI向け、データセンター、エンタープライズSSD向けに販売を拡大していく方針だ。SSDではPCIe 5.0対応SSDに注力していく」と語った。
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